チェマダン第二号でも扱った作曲家アルセーニー・アヴラアモフ(1885-1944)の「轟のシンフォニー」の再現音源です。
世界初の音響レコードの創作者と言われています。
「彼は、12音階の均質な音楽を敵視し、そうした「伝統」音楽とは異なる音の統合について考察した。こうした考察は、20年代に入って、モーター音や鐘の音など、都市空間の環境音を統合した壮大なシンフォニーとなって結実した。この発想の背景にあったのは、新しい大衆社会の創造だったと言ってもよい。彼にとって、グランドピアノは作曲家あるいは演奏家という個人の思想の象徴であり、警笛やモーターの音は無個性の大衆社会の音であった。都市空間にあふれるこうした「社会の音」を「個人の音」に対置させた。彼は都市空間の音楽的素材の空間的構成のアイデアに惹かれ、「地形学的音響学」の計画を作成し、都市空間の録音と結びついた音楽ジャンルを研究した。ここから生まれたのが「轟のシンフォニー」である」(チェマダン第二号より抜粋)
聴いているうちに、機械音や鐘の音、サイレンの音に労働者たちの歌声、足音が交じり合い、不思議と昂揚させられます。
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