Новый музей(新美術館)

あと1、2回はしつこく続けますよ。ということで、ペテルブルクのスポット、今日はここ!
Новый музей(新美術館)
http://www.novymuseum.ru/
最寄りメトロ:ワシリレオストロフスカヤ (Василеостровская、ワシリエフスキイ島駅)

Новый музей(新美術館)

ワシリエフスキイ島が続きます。
ここも現代美術をあつかう美術館。メトロを出て、並木道のほうに少しいくと、通りに面したかたちである。ほぼ、メトロの入口(出口ではなく)の向い。不動産屋なら「駅から歩いて0分」と言う立地。3階と4階が展示スペースで(5階は美術館の事務所)、2階は(確か)銀行になっている。こぢんまりとした建物で、1階の入口にある表示は銀行のほうの存在感が強いので、うっかりすると見逃してしまう。なお、開館しているのは木曜から日曜の12時から19時までという具合。
展示スペースの広さは、「美術館」というより「ギャラリー」。僕が行ったときは、3階が企画展、4階が常設展という体制だった(恐らく恒常的にこういうかたちで行われているのだろう)。

オープンは2010年7月。所蔵作品は基本的に、ロシアあるいは旧ソ連圏の作家たちの、1950年代くらいから現代にいたるまでの作品(記し忘れていたけれど、先に紹介したERARTAのコレクションも同様に、ロシアあるいは旧ソ連圏で構成されている)。そして、ERARTAよりもいわゆる「現代美術」の文脈を押さえたコレクションになっている。ERARTAの所蔵が何らかのかたちでペテルブルクに縁のある作家の作品が多いのに対し(いや、これは本当にそうなのかわからないのであまり信用しないでください)、今回のНовый музейには、その辺のこだわりはないようだ。ある意味ではきわめて健全な姿勢といえよう。そのため、HPで所蔵作品を見ると、僕でも知っている作家の名がけっこう並んでいる。たとえば、ほとんど「ロシア」という文脈に依らずに商業的に成功している(だから日本でもしばしばお目にかかる機会がある)、AES+Fの作品も持っている(し、展示もされていた)。

所蔵作品は、アスラン・チェホーエフ(Аслан Чехоев)という人の個人コレクションが元になっているそうだが、ちょっと面白いのは、この人があるインタビューで「ギャラリーだと結局はビジネスになってしまうが、美術館というのは人文的なプロジェクトであって、美術館があるのは現代美術を広めるため。作品は売らない」と述べていたことだ。もっともそのすぐあとで、「コレクターが「お金の問題ではない」って言ったって、それは信じるべきではないね。お金が好きなのは自然なことだから」みたいなことと言っていたんで、それも可笑しかったのだけど。

いずれにせよ、スペースが小さく展示作品数が少ないことに鑑みれば、相応以上の満足感が個人的には得られた。もっとも、「くっそぉ・・・出し惜しみしてるなぁ・・・」という印象も残ったが、運営サイドの判断としてそれは仕方ないのだろう。
ちなみに、HPにもあるように本も少し売っている。価格も比較的安いほう。


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