ロシアの道化師スラヴァ・ポルーニン/ Слава Полунин / Slava Polunin

道化師って面白いです。チャップリンはアヴァンギャルド期のロシアでも大人気だったんですけど、ロシア国内にも有名な道化師はたくさんいました。

サーカスが有名なロシアでは、もともとは道化師はサーカスのそれぞれの演し物の間を埋めるつなぎ役のような立ち位置だったことが多いのですが、道化師の人たちは、単なるつなぎ役ではなく、彼らのパフォーマンス自体も一つの演し物として成立するように様々な努力をしてきました。これに関しては動画はいろいろ残ってもいるのですが、またいつかご紹介します。

今回紹介する動画は、そうしたサーカスの道化師ではなく、クラウンという職業を生かして自分の舞台を作り上げている人です。

現役のロシア人クラウン、スラヴァ・ポルーニン / Слава Полунин / Slava Polunin (1950年6月12日にロシア・オリョール州ノヴォシリ生まれ)

彼はSnow Showという作品で世界的に有名になりました。

完全なる私見ですが、道化師というとサーカスの持っている怪しげな感じとか、いい意味で丁寧でない(夾雑で猥雑)な雰囲気を備えているような気がします。でもポルーニンのSnow Showはとても丁寧で、余計なものが削ぎ落された完成された作品です。これがいいことかどうかは好みによって分かれるでしょう。しかしこの作品は、道化師が持っている悲哀や郷愁、なにかへの憧れといったものをロマンチックに純化させた作品のような気がします。

そういえば、アガンベンはフロイトを用いながらメランコリーとは「対象喪失に先立つが、その喪失の予感ゆえに悲哀を味わうというパラドックスをはらんでいる」と言いました。道化師とは、道化師であることを受け入れた上で、中心に立ち得ない辺境の存在として常にメランコリーをはらんでいるように思えます。その現れが、時に夾雑で猥雑なものであったり、悲哀や郷愁となっているのかもしれません(なんだか山口昌男のようです)。

ともかく、ごちゃごちゃ言う前に、クラウンは観て楽しむことが第一です。この動画は60分と長いものですが、一度入り込めば、スラヴァの世界を思いっきり堪能できるとても素敵なショーです。ぜひ最後まで観ていただきたいです。

道化師は、世界各国それぞれの時代に素晴らしい人たちがいますが(今の日本だと誰だろう。山本光洋さんなど?)、現代のロシアでは間違いなくこのスラヴァが第一人者と言えるのではないでしょうか。

Snow Show

http://www.youtube.com/watch?v=rpvw4ZhsO50

 

スラヴァ・ポルーニンの初期作品

彼が創設したクラウン・マイム劇場Лицелей / licedeiの動画

ロシアでのお酒(ウォッカ)のたしなみ方はこちらを参照


Leave a Comment