凡例
タイムラインはテアトル誌を踏襲し、時系列を遡る形で記している(新しい情報が上)。
訳者による割注は〔〕で記している。
戯曲、小説、上演等の作品タイトルは内容を確認できていない場合、仮置きの日本語訳を記している。
人名におけるアクセントの音引きは、基本的には表記しない。
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ロシア演劇界タイムライン(2022年2月24日-)12ヶ月目
Театр.誌原文(12ヶ月目)
(翻訳:伊藤愉)
▶︎公開:2月19日01:05
▶︎更新:2月24日02:18
2月24日、テアトル誌はウクライナ領の状況に関連するタイムラインの記録を開始した。
*Roscomnadzor(ロシア連邦通信・IT・マスメディア監督庁、Federal Service for Supervision of Communications, Information Technology and Mass Media)はロシア軍によるウクライナ各都市への砲撃やウクライナ民間人の犠牲関する情報、および進行中の作戦を攻撃・侵略・宣戦布告と呼ぶ資料は現実に即していないとみなしている。
編集部は週ごとのタイムラインを月ごとのタイムラインに切り替えることに決めた。だが、私たちは近いうちにこうしたタイムラインを公開する必要がまったくなくなることを望んでおり、それを信じている。
2月22日
22:00.
オレグ・タバコフ劇場芸術監督のヴラジミル・マシコフはルジニキ・スタジアムでコンサート集会を開催。
本日2月22日、ルジニキ・スタジアムで「祖国の守護者に栄光あれ」と題されたプーチン大統領が参加するコンサート集会が行なわれた。
ヴラジミル・マシコフは、ロシアの各世紀は西側との戦争で始まる、と述べて登壇した。彼は17世紀初頭のポーランド・リトアニア〔共和国〕の干渉、18世紀のピョートル一世時の北方戦争、19世紀のナポレオンの襲来、20世紀の二度の世界大戦に言及した。
ヴラジミル・マシコフは次のように述べた。「21世紀初頭に我々は再び西側と対峙し、再び平和を思い出させている。ロシア人と戦うな」。
そのほか、コンサートには、ドミトリー・ハラチヤン、ドミトリー・ドュジェフ、グリゴリー・レプス、ポリナ・ガガリナ、オレグ・ガズマノフ、マラト・バシャロフ、ザラなどが参加した。
コンサートは祖国防衛の日〔2月23日〕と特別軍事作戦開始〔2月24日〕に合わせて開催された。
2月20日
11:00.
独立系戯曲フェスティバル「リュビモフカ」は2023年最初のプログラム「リュビモフカのこだま」をアナウンスした。同フェスティバルは2月24日から26日にイスタンブールで開催される。社会文化センターŞişli Municipality Nazim Hikmetでショート・リストとコンクール外プログラム「リュビモフカ2022」から6つの戯曲(アシャ・ヴォロシナ、アンドレイ・スタドニコフ、イリナ・セレブリャコヴァ、チムル・チメルカエヴァ、マリヤ・ベリコヴィチのテキストと、5都市から9人の劇作家が参加した共同作品『エレベーターで落ちていく者たちの歌(«Песни падающих в лифте»)』)が朗読される。「リュビモフカのこだま/イスタンブール」のキュレーターは演出家のイゴリ・ホニン。
2022年「リュビモフカのこだま」プロジェクトは8つの都市(ナルヴァ、タルトゥ、エカテリンブルグ、ドビリシ、ハイファ、テルアビブ、パリ、ベオグラード)をまわった。フェスティバル本体はその方針から初めてモスクワで実施されなかった。2022年秋には、ショート・リストに残った戯曲作品が朗読劇の形でARTiSHOCK劇場(アルマトィ、カザフスタン)で上演された。
2月16日
16:30.
ロシア文化省はドネツク国立アカデミー・ブロヴナ音楽ドラマ劇場の作品『I KZOW TRVTH(Я ZНАЮ ПРАVДУ)』の「グランド・ツアー」での巡業アナウンスを発表した。書籍『ドンバスでの戦争:民衆の記録』の資料に基づいた「この8年間の共和国住民たちの壊れた運命についてのドキュメンタリー・ドラマ」の初演は、2022年9月にオレグ・タバコフ・モスクワ演劇学校の舞台で上演された。同じ時に、ドネツクの劇場もウクライナ人民芸術家アラ・ウリヤノヴァの本作をニジニ・ノヴゴロドで上演していた。
2月23日から3月15日まで『I KZOW TRVTH』は9つのロシアの各都市を周り、上演は「ロシア共和国文化省の全ロシアツアーコンサートプランに則って、ロスコンツェルトが企画する」と文化省のサイトで述べられている。上演会場となるのは、演劇フェスティバル「バルチスキー・ドム」(ペテルブルグ)、プスコフ州人形劇場、ノヴゴロド州アレンスキー記念フィルハーモニー、文化センター「ルシチ」(スタラヤ・ルッサ)、ロデイノポリスキー・ドラマ演劇スタジオ「アプレリ〔四月〕」(ロデイノエ・ポレ、レニングラード州)、カレリア共和国国立ナショナル劇場(ペトロザヴォツク)、チェレポヴェツキー小劇場、ヴォロゴツキー州立青年観客劇場、ロモノソフ記念アルハンゲリスク・ドラマ劇場。
ニジニ・ノヴゴロドの9月上演時のアナウンスでは、芝居に関して次のように書かれていた。「舞台は地下の一室。人々はウクライナの武装部隊の集中砲火から身を隠し、生活している。彼らは他人同士で、たまたますれ違っただけであり、彼らを結びつけるのは、安全な場所、テレビ、戦争の話だけだった。語り手たち自身が、戦争のあらゆる苦難を耐えなければならなかったドンバス住民の集合的イメージなのだ」。
2月14日
19:00.
演劇フェスティバル「バルチスキー・ドム」はクセニヤ・ラポポルトとアレクセイ・セレブリャコフが出演する『アインシュタインとマルガリータ』の上演を中止した。「技術的理由で2月14日15日の『アインシュタインとマルガリータ』の上演は中止となります」と「バルチスキー・ドム」のサイトで短く発表された。ペテルブルグのメディア「フォンタンカ」の情報によると、2月14日の上演中止を観客たちが知ったのは、すでに観劇に向かうなかでだった。〔アレクサンドル・〕ゲリマンの戯曲『アリマル』(「愛と原子爆弾に関する芝居」)に基づくアレクサンドル・マリンの同演出作品は演劇プロダクションENTRACTEのプロジェクトである。『アインシュタインとマルガリータ』は初演を2022年6月12日にモスクワでむかえていた。
12月15日にプーチン大統領の令により、クセニヤ・ラポポルトは、重篤な病に苦しむ子どもたちを支援するために創設された財団「善行の輪」の評議員会から外されていた。彼女とともにチュルパン・ハマトヴァも外され、また同様に慈善団体「老いを喜びに」のディレクターであるエリザヴェタ・オレスキナと国家院健康維持委員会メンバーのラリサ・フェチナも外されている。
2月13日
17:25.
モスソヴェト劇場、「ピョートル・フォメンコ工房」、チェーホフ記念モスクワ芸術座は公式サイトが一時的にダウンしていることをそれぞれのSNSで発表した。これらのサイトは全て「アルチョム・レベデフ・スタジオ」が作成し、運営している。同スタジオのサイトもまた本日、ページの読み込み時に技術的なエラーが発生している。1月には、ウクライナ大統領のヴラジミル・ゼレンスキーがデザイナーのアルチョム・レベデフに対して個人的制裁を科す同国の安全保障・防衛評議会の決定の実効に署名していた。
7月にはアルチョム・レベデフはドンバスを訪れ、その後自身のSNSにマリウポリとエネルゴダルで撮影した写真を投稿し、そうした投稿の一つに、渡航の感想を書き込んでいた。
2月10日
22:15.
モスクワのクジミンスキー裁判所は演出家のフセヴォロド・リソフスキーと俳優のイヴァン・アニシモフを公務執行妨害の罪状で15日間の勾留の判決。ポータル・メディアの「info24」が報じた。
2月10日、モスクワで演出家のフセヴォロド・リソフスキーが拘束されたことを彼女の娘のエヴァ・リソフスカヤが公表した。彼女は自身のSNSに次のように投稿した。「パパが路上で拘束されて、内務省支部局に電話も持たずに勾留された。これはきっと政治的な動機だと思う」。
これと同様に、昨日自宅前で、リソフスキーの芝居に出演していた俳優のイヴァン・アニシモフが拘束された。彼もまた公務執行妨害の罪に問われている。
リソフスキーはすでに2022年5月9日と29日にベルトルト・ブレヒトのアンチ・ファシスト劇『第三帝国の恐怖と貧困』をもとにした『白墨の十字』を上演中に治安機関職員に拘束されている。9月には同戯曲に基づいたオペレッタ『裁判』を上演した後に、同じ状況になった。またリソフスキーはロシア軍の信用を失墜させた罪で罰金を科されてもいた。
19:22.
俳優のアレクサンドル・フィリペンコがロシアを離れる。現在彼はリトアニアに住んでいる。彼の娘であるアレクサンドラ・フィリペンコが「ドーシチ」(ロシア司法省が外国エージェント・メディアに認定)の放送で公表した。彼女は父親の出国は、彼の政治的立場と関係していると述べた。
2022年5月にフィリペンコは自らのSNSにウクライナのヴィシヴァンカ〔刺繍入りのウクライナの民族衣装〕を着て机に座っている一枚の写真を掲載していた。また、モスソヴェト劇場での『ハムレット』初演のあと、同俳優は黄色と青の花の写真に以下のようなキャプションを添えて投稿していた。「あらためて『ハムレット』だ。なにしろシェイクスピアの時代から、残酷さ、支配者の狂気、殺人、不幸な愛といった問題は変わっていない……。重要なのは、どんなリボンがついていてどのような色のブーケを私が受け取ったかだ。結局のところ「ある〔быть / to be〕」とは何かということだ」。
11月、アレクサンドル・フィリペンコが勤めていたモスソヴェト劇場は同俳優との契約を延長しなかった。彼は現在のレパートリーで4つの作品に携わっていた。またフィリペンコのコンサートも市内の会場から断られていた。
14:30.
モスクワで演出家のフセヴォロド・リソフスキーが拘束される。実娘のエヴァ・リソフスカヤが自身のSNSで公表した。「パパが路上で拘束されて、内務省支部局に電話も持たずに勾留された。これはきっと政治的な動機だと思う」。
同演出家はモスクワのヴィヒノ・ジュレビノ地区で「公務執行妨害」の行政法違反で拘束されたと伝えられている。エヴァ・リソフスカヤは顔で特定された可能性を示唆している。
リソフスキーはすでに2022年5月9日と29日にベルトルト・ブレヒトのアンチ・ファシスト劇『第三帝国の恐怖と貧困』をもとにした『白墨の十字』を上演中に治安機関職員に拘束されている。9月には同戯曲に基づいたオペレッタ『裁判』を上演した後に、同じ状況になった。またリソフスキーはロシア軍の信用を失墜させた罪で罰金を科されてもいた。
2月9日
12:40.
ケメロヴォ州で検察は、「ロシア軍の行動に関する虚偽情報の意図的な拡散」(ロシア連邦法第207条3項1号)の罪に問われているジャーナリストでテアトル誌の執筆者でもあるアンドレイ・ノヴァショフに対して、11ヶ月の矯正労働を請求。「タイガ・インフォ(«Тайга.инфо»)」が報じた。また検察はノヴォショフに対して2年間のインターネットへの投稿禁止も求めた。この請求が紙媒体のメディアでの掲載禁止も意味しているのかどうかは明らかではない。ノヴァショフは現在にいたるまで自身の罪を完全に否定している。
「タイガ・インフォ(«Тайга.инфо»)」の記事では次のようにも述べられている。「検察側は証人として実業家でNOD(国家解放運動)活動家のアレクサンドル・バシマコフと失業者のエヴゲニー・ウスチャニンを召喚した。前者は、過激派関連の事件で「年に2、3回」証言をしていると述べた。(中略)後者はノヴァショフの「VKontakte」への投稿を目にし、その投稿に関して内務省に勤めるスタスという知人に報告したと主張した。「VKontakte」での同ジャーナリストの投稿に関する言語鑑定は、ケメロヴォ州のFSB職員が作成した」。
アンドレイ・ノヴァショフは「VKontakte」への投稿を理由として、2022年3月21日に拘束された。現時点で、彼は自宅にいる。「タイガ・インフォ」および《シベリア/リアル(Сибирь. Реалии)》を運営する「ラジオ・スヴァボーダ」の記者と接することは禁じられている(いずれもロシアで外国エージェントに指定されている)。また、母親、弁護士、予審判事への電話をのぞき、インターネットや電話を使用できない。さらに、人の集まるイベントに参加することや郵便物の発送も禁じられている。
10:54.
ゼリフィラ・トレグロヴァがトレチヤコフ美術館ディレクターを辞任。ロシア文化省がHP上で発表した。
トレグロヴァの離任の理由をロシア文化省は「契約期間の完了」と表現している。ディレクターのポジションは、2020年から工芸博物館を〔総支配人として〕率い、ユダヤ美術館/トレランス・センターの執行役員を務めていたエレーナ・プロニチェヴァが着任する。彼女の父親であるヴラジミル・プロニチェフはFSBの副長官で、ドゥブロフカの演劇センターでの人質解放作戦本部の指揮をとった人物である。
ゼリフィラ・トレグロヴァはトレチヤコフ美術館のトップを2015年から務めていた。コメルサント紙によれば、彼女は自らの解任を報道で知ったという。
2023年1月、トレチヤコフ美術館は「伝統的なロシアの精神的・道徳的価値の保存と強化」に関する2022年11月9日のロシア大統領令に違反しているという苦情を受けていた。その後、文化省はトレグロヴァに20世紀芸術の展示が新たな公式規範に適合しているかどうかの報告を求めていた。
2月7日
16:00.
ソヴレメンニク劇場はガリーナ・ヴォルチェク演出、リヤ・アヘドジャコヴァ出演『ジン・ゲーム』の近日中の上演を中止した。
劇場サイトでは次のように発表された。「2月13日、28日および3月29日に予定されていた『ジン・ゲーム』は上演されません。その代わりに2月13日は『三人の戦友』、2月28日は『パパ』、3月29日は『直観』を上演します。『ジン・ゲーム』の購入済みチケットは有効です」。
「ノーヴァヤ・ガゼータ」紙(ロシア国内で外国エージェントに認定)は、アヘドジャコヴァ自身の言葉をひきながら、同女優が「劇場ディレクターのユーリー・クラヴェツから電話があり、女優に対して怒りのメールが文字通りに殺到した以上、この芝居を取り下げざるを得ないと知らされた」と報じた。同紙はまたソヴレメンニク劇場ディレクター秘書が、いつ『ジン・ゲーム』を観ることができるのか、という質問に対して、「二度と見られない」と答えたと書いている。
シーズン初めには、他の作品と共にアヘドジャコヴァが主役を演じるベンヤミン・コーツ演出『最初のパン』がレパートリーから外されていた。同女優が出演する三つ目の作品。ガリーナ・ヴォルチェク演出の『険しい道筋(«Крутой маршрут»)』はソヴレメンニク劇場の公式レパートリーには残っているが、2022-2023シーズンの予定表には含まれていない。
2月5日
11:30.
ミハイロフスキー劇場は、その予算で前線に救急車両を送った。サンクトペテルブルグ市長のアレクサンドル・ベグロフがSNSで発表した。
「ミハイロフスキー劇場のスタッフが志願兵で参加しています。彼は衛生部隊に派遣されました。いまこの時、彼は我々の負傷兵を前線から後方へと、病院へと運び、その命を救っています。彼を支えるため、劇場の仲間たちはその予算から新しい救急車両を購入する判断をしました。UAZ社製の車がすでに前線へと送られました!」
10:15.
ベレジン記念ザバイカリエ地方ドラマ劇場(チタ)は、ドンバスで技術スタッフのヴァシリー・マクシモフが死亡したと公表した。劇場は以下のように発表している。「本日、ドンバスでの特別軍事作戦から悲しい知らせが入りました。6年以上、当施設の技術スタッフとして働いていた(中略)私たちのヴァシリー・ヴァレリエヴィチ・マクシモフが、敵との戦闘で死亡しました。2022年11月に彼は特別軍事作戦に動員され、戦車隊長を務めていました」。地元文化庁の発表ではマクシモフの死について次のように語られている。「男性は36歳で、Zaバイカリエに妻と息子を残していた」。
2月2日
18:00.
カナダ政府は〔ロシア〕体制の政策やプロパガンダを支持するロシア・メディアおよびロシア人メディア関係者らに対して新たな制裁を導入すると発表。リストには38人が記されており、その中には、俳優のドミトリー・ジュジェフ、マラト・バシャロフ、マクシム・アヴェリン、ミハイル・ボヤルスキー、歌手のニコライ・バスコフ、ジーマ・ビラン、オレグ・ガズマノフ、ニコライ・ラストルグエフ、ラリサ・ドリナ、ナデジダ・バブキナ、ポリーナ・ガガリナらが含まれている。制裁は経済的なもので、リストに含まれた人物との取引の禁止、カナダ国内での金融サービスおよび関連サービスの彼らへの提供の禁止などが課せられる。
2月1日
ボリス・アクーニンはSNSで彼の名前がまた別の劇場のポスターから削除されることを発表した。「今日わたしの本を題材にした作品を上演している一つの劇場から電話があった。検察庁が作家の名前を外すよう執拗に勧めてくる、さもないとよくないことになる、と。どうすべきか、と哀れな劇場はわたしに訊ねた。名前を外すか、上演をやめるか。もちろん、〔名前を〕外してください、とわたしは答えた。こうした名無しのポスターやプログラムは、素晴らしいアジビラであり、いつの日にかプーチン時代の愚かさを示す収蔵品の一つとなるだろう。そうとなれば、名前を言ってはいけない人物、「例のあの人(You-Know-Who)」卿となれるのも悪くはない(どこにでも利益を見つけようとする人たちへ:わたしはこの作品でお金を貰っていない)」。これが実際どの劇場のことを言っているのか、作家は明らかにしていない。
これ以前、ボリス・アクーニンの名前は、ロシア・アカデミー青年劇場(ラムト)とアレクサンドリンスキー劇場のポスターから外されていた。ロシア文化省の広報担当はこれに関して次のようにコメントしている。「困難な時にロシアを離れ、ロシア文化に反対を表明している文化人たちが、公的な文化施設のポスターから去ることは「絶対的に論理的」であり、これは社会からの要請でもある」。
1月31日
12:00.
オムスク音楽劇場で、ドンバスでの出来事を扱った『わたしたちの/特別軍事作戦の記録(«Записки о СВОих») 一人芝居のレクイエム(«моноспектакль-реквием»)』 (12+)が初演を迎える。演出は劇場の主任演出家であるアレクサンドル・レベデフ、唯一の出演者で発案者、またシナリオを執筆したのはソリスト歌手のミハイル・デルギリョフ。
オムスク音楽劇場のサイトに掲載された演出ノートでは次のように述べられている。「アルセン・セルゲエヴィチ・パヴロフ「モトローラ」、ミハイル・セルゲエヴィチ・トルストィフ「ギヴィ」、神父ミハイル・ヴァシリエフ「空挺神父(„Батюшка ВДВ“)」、そしてアレクサンドル・ザハルチェンコ、セルゲイ・プスケパリス、キリル・ストレモウソフ、ダリヤ・ドゥギナ。ほんのわずかばかりの名前だ……。彼らの名前は、勇敢さ、抵抗、希望、勝利の象徴だ。『わたしたちの/特別軍事作戦の記録』は、ドキュメンタリー演劇だ。(中略)これは前線からのレポート、目撃者の証言、報道ルポルタージュだ」。
2014年以降のドンバスの関する「現実の人々の歴史」に加えて、『わたしたちの/特別軍事作戦の記録』では、ギターの伴奏で「戦争に関する親しみのある象徴的な歌」(「ヴィソツキー、オクジャヴァ、セルゲエフ、トロフィモフ、そして古典的な軍歌」とSNS上で劇場は明らかにしている)が奏でられる。また、「セミョン・ペゴフ、ザハル・プリレピン、ヴラド・マレンコ、イーゴリ・カラウロフ、ダヴィド・ガザチ、ヴィクトル・デニソフ、オスタプ・シャトゥノフスキー、アレクサンドル・マカロフ、ケヴィン・オスグルド、ロベルト・ロジェストヴェンスキーらのテキストと詩」も用いられる。『わたしたちの/特別軍事作戦の記録』の作者らによれば、これは「非常に個人的な」素材であり、それゆえに上演場所は劇場の〔小スペースである〕「鏡の間」が使われる。『わたしたちの/特別軍事作戦の記録』の2回目の上演は2月24日に予定されている。
1月26日
15:30.
チェーホフ記念モスクワ芸術座は公式サイトで、2月8日にセルゲイ・チョニシヴィリが『森林』の上演でゲンナジー・ネシャスリフツェフ役を初めて演じると発表した。この役は2004年からドミトリー・ナザロフが演じていた。この作品の演出家であるキリル・セレブレンニコフの名前は、同演出家が国外に出て以降、ドミトリー・クルィモフやアレクサンドル・モロチニコフと同様にモスクワ芸術座のHPから消されている。
1月14日には、反戦的態度を明確にしていたドミトリー・ナザロフとその妻で女優のオリガ・ヴァシリエヴァはチェーホフ記念モスクワ芸術座から解雇されていた。解雇通告には劇場芸術監督のコンスタンチン・ハベンスキーが署名していた。1月16日に、モスクワ芸術座は、ヤーノシュ・サース演出作品『巨匠とマルガリータ』でヴォランドの役をアナトリー・コトが初めて演じると発表していた。初演(2011年)以降、ヴォランド役を演じていたのはドミトリー・ナザロフだった。
14:00.
2023年1月24日、モスクワ市資産局は、サハロフ・センター*に無料貸与している一連の賃貸契約を中止すると発表。センターの建物、展示会場、ゼムリャノイ・ヴァル沿いのアンドレイ・サハロフの住居博物館などが対象。サハロフ・センターのHP上で公開された声明によれば、立ち退きの理由には、2022年12月1日施行された「外国の影響下にある人物の活動の管理」に関する法律がある。新たな規定では、外国エージェントが関係しているところで国家の支援を受けることは認められない。
サハロフ・センターはその活動を総括し、次のように述べている。「本日、4半世紀に及ぶセンターの歴史が幕を閉じます。(中略)しかしお別れを伝えるにはまだ早いでしょう。私たちはエレーナ・ゲオルギエヴナ・ボンネルの生誕100年を祝わなければならないのです。彼女が作った空間でこれを行なうことはできそうです。一つの時代が終わろうとしていますが、その歴史は終わりません。サハロフに倣って、私たちは人間の中の最良のものの勝利、平和、人道主義、進歩の勝利を信じています。
私たちの目の前には、センターの活動に関連した救出しうる全てを保存するための膨大な仕事が控えています。センターとその活動に関する記憶を保存することに努めます」。
*ロシア司法省が外国エージェントに認定
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