ロシア演劇界タイムライン(2022年2月24日-)第1週

タイムライン画像_2

凡例

タイムラインはテアトル誌を踏襲し、時系列を遡る形で記している(新しい情報が上)。

訳者による割注は〔〕で記している。

戯曲、小説、上演等の作品タイトルは内容を確認できていない場合、仮置きの日本語訳を記している。

人名におけるアクセントの音引きは、基本的には表記しない。

【概要】はこちら

 

ロシア演劇界タイムライン(2022年2月24日-)第1週

Театр.誌原文(第1週)

(翻訳:守山真利恵、伊藤愉)

▶︎公開:3月19日23:00、
▶︎更新:3月20日15:11、3月20日21:24、3月21日13:55、3月22日15:20


2月24日、テアトル誌はウクライナ領の状況に関連するタイムラインの記録を開始した。

*Roscomnadzor(ロシア連邦通信・IT・マスメディア監督庁、Federal Service for Supervision of Communications, Information Technology and Mass Media)はロシア軍によるウクライナ各都市への砲撃やウクライナ民間人の犠牲関する情報、および進行中の作戦を攻撃・侵略・宣戦布告と呼ぶ資料は現実に即していないとみなしている。


3月3日

19.20.
ロシアの映画館が閉鎖の危機に瀕している。
本日、ロシア映画館オーナー協会〔RUSSIAN ASSOCIATION OF THEATER OWNERS〕は、ハリウッドのスタジオからのボイコットや上映のための機材納入停止を理由に、おそらく今年中にはロシアでの映画上映が終了するだろうと警告する文書を発表。

19.00.
M. シェープキンの家博物館館長のナタリヤ・ピヴォヴァロヴァ氏およびV. メイエルホリドの家博物館館長のナタリヤ・マケロヴァ氏が、理由の説明なしに解任される。

18.00.
ヴラジミル・ポタニンがニューヨークのソロモン・R・グッゲンハイム美術館、及び同財団を辞任。
大富豪〔ポタニン氏〕は自身の意志で評議員のポストを去った。美術館の声明では、「ヴラジミル・ポタニン氏は2022年3月3日に評議会に対し、自身の決断を通達した。この決断は即座に承認された」と述べられている。

17.30.
ヴァフタンゴフ劇場のエストニア、ラトビアツアーがキャンセル。2022年の春と秋に同劇場はバルト地方で『戦争と平和』、『私たちの教室』〔タデウシュ・スロボジャネク作〕、『リューシャ 愛の告白』〔リュドゥミラ・グルチェンコ『拍手』、『リューシャ、ストップ!』が原作の作品〕の上演をする予定だった。
一方、4月に予定されているイスラエルツアーは行われる。また、ハンガリーツアーについては、劇場ディレクターであるキリル・クロクによれば「この問題の原因は一つで、ロシアの劇団が行くからではなく、飛行制限が課されているからです」。

17.00.
昨日ペテルブルグで抗議活動中に拘束された女優のアリサ・オレイニクが内務省から釈放。彼女は15,000ルーブルの罰金を言い渡された。
これについて同女優はFacebookで以下のように投稿している。「7人の女性と一緒にいました。うち一人(本当に近くを通りがかっただけの学生)は釈放されて、私ともう一人別の女性は、15,000ルーブルの罰金。他の4人は、7!!!!日間!!!〔の勾留〕」。
「抗議に参加した私たちは、大人しく立っていただけで、叫んでもいませんし、本当にそこにいただけだと言っておきたいです。護送車に押し込まれて、悲しくなったのは、そこにいた多くの人たちが他の人たちのことを非難しはじめたことです。私たちのせいで苦しんでいると。あの人たちは誰のことも気にかけず、いま起こっていることを気に病んだりすることもなく、歩いているのです。つまり私たちは少数派なんです。ロシア国民はどうやらいないようです。いまや行政違反ではなく、刑法に問われるようになるらしいですし。わからないけど……
みんな、どうか気をつけてください。本当にありがとう」。

16.00.
エルミタージュ・アムステルダムはサンクト・ペテルブルグのエルミタージュ美術館と関係を解消する。
エルミタージュ・アムステルダムは、幹部と監査委員会が30年にわたる両美術館間の協力関係を停止すると発表。3月4日からエルミタージュ・アムステルダムはロシアと完全に「絶交」する。
美術館の広報部によれば「私たちは政治的中立を守ろうと務めました。ですが先日のウクライナ領へのロシア軍の侵攻は、その中立はもはや成立しないことを意味しています」。
一方で、エルミタージュ・アムステルダムは両館の関係が修復されうる展望に関しても言及しつつ、しかしそれは、もしロシアにおいて「変化が起こった」場合のみにおいて可能であるとしている。

13.30.
チムル・ザンギエフがミラノのスカラ座でヴァレリー・ゲルギエフの代役を務める。
当初、ヴァレリー・ゲルギエフはスカラ座で3月5日から15日に予定されていたオペラ『スペードの女王』の指揮をするはずだった。劇場管理部は協働関係の解消を迫り、ゲルギエフがウクライナにおけるロシアの「特別作戦」について自身の立ち位置を明確化するよう要求していたが、同指揮者はこの要求について応答しなかった。
本日、〔スカラ座〕管理部はゲルギエフの代役を、スタニスラフスキー・ネミロヴィチ=ダンチェンコ音楽劇場(モスクワ)の指揮者であるチムル・ザンギエフが務めることに決定した。

12.00.
フランチェスコ・マナコルダがV—A—C財団を脱退。これについてインテルファクス通信がGES-2プレス・リリースを引用して報じた。
「大変残念ながら、目下の出来事は仕事の環境も個人の環境も本質的に変えてしまいました。このため、私が誇れたはずの献身性でもって仕事を続けることはできないという結論に達しました」と自身の退任についてマナコルダは説明した。「この決断に大きな苦しみと遺憾の念を覚えています」。
フランチェスコ・マナコルダはテート・リバプールの前アートディレクターであり、モスクワ近代美術館での企画展”General Rehearsal”の共同キュレーターを務めた。2017年9月よりV—A—C財団のアートディレクターに就任。
V—A—Cからは先日、モスクワに最近〔2021年12月〕オープンしたGES-2の建設とその活動のディレクションを担っていたジェネラル・ディレクターのテレザ・マヴィカが脱退している。また、2月27日に、GES-2はウクライナの出来事を理由に、全ての展示とプロジェクトの停止を決定している。

10.00.
クリエイティブ産業センター「ファブリカ」が、この間の出来事に関連して文化機関から解任された、もしくは自発的に辞職したキュレーター、アーティスト、アート・マネージャー向けの公開イベント(レクチャー、ディスカッション、映画上映等)の企画を公募。
事情により複雑な生活状況におかれながらも、自身の作品/プロジェクトを独立したプラットフォームで発表し、検討することを望む現代アートシーンの関係者は誰でも参加することができる。
ファブリカは実施するための会場とイベントに必要な技術備品の提供、情報発信のサポート、作者への報酬(7,000ルーブル)の用意がある。


3月2日

23.00.
ダンス・オープン・フェスティバルは今シーズンの国際プログラムの中止を発表。ピーピング・トム(ベルギー)、モンテカルロバレエ団(ドイツ)、ドルトムントバレエ団(ドイツ)はペテルブルグに来訪しない。

22.00.
テアトル誌編集部に演出家エイムンタス・ニャクロシュスの妻で〔舞台〕美術家のナヂェジダ・グリチャエヴァからの手紙が届く。

21.00.
ペテルブルグのゴスチヌィ・ドボール付近における平和的抗議活動で女優のアリサ・オレイニクが拘束される。「というわけで、捕まりました」。拘束直前に自身のFacebook上に投稿したビデオで述べている。後に、同じくFacebookで、第7支署に収監されたことを記している。

20.00.
エストニアのロシア劇場(ヴェネ・シアター)がエストニア住民に対し、Facebookで呼びかけ。
「私たちは芸術、文化、科学、文学、ジャーナリズム、テレビ、ラジオの従事者たち、また反戦の呼びかけに署名した数百万人のロシアの人々の視座を支持します。〈中略〉私たちの支援と同情の言葉は、ウクライナの文化関係者たちへと向けられています。ウクライナには、私たちの劇場も幾度となくツアーを行ない、私たちのメンバーの多くが親戚、友人や同級生を持っています。〈中略〉3月27日の世界演劇の日に、ロシア劇場で国内の優秀演劇功労者への授賞式典が行なわれるというのは、どういった巡り合わせなのでしょうか。このことには深い象徴的な意味があるのかもしれません。今日、エストニアに住むあらゆる民族の連帯がかつてなく重要です。普段用いている言語に関わらず、演劇関係者たちはロシア劇場に集い、団結を示すことができるのです」。

18.30.
ライン・ドイツ・オペラは、ドミトリー・ベルトマン演出のオペラ『アンドレア・シェニエ』(ウンベルト・ジョルダーノ作)のプレミア公演を中止。この決定は劇場総裁のクリストフ・マイヤーによるもの。プレミア公演は5月14日に予定されていた。
「この断り方は大変遺憾ですが、今の状況では他の選択肢はありません。特に強調したいのは、今回の決定が演出家ドミトリー・ベルトマンに向けられたものではないことです。むしろ、彼の名前と切りはなすことのできないロシア国家との協働を一時的に延期しているのです」とマイヤー氏は述べた。

15.00.
我々は文化の領域において密告の慣習が再び始まっていることを認める必要がある。ゴロド812誌の報じたところによると、ロシア国立図書館〔ペテルブルグ〕の管理部門が発布した通知で、所属員や来館者の中の秘密扇動やアジテーションをする者がいたら職員はその旨を報告するよう求められていた。テロ組織の活動を未然に防ぐために必要だと説明されている。通知では、「平和な市民に対してテロリズム的破壊工作を持ち込むことで、サンクト・ペテルブルグにおけるネオナチ的風潮の活性化が起こりうる」と述べられている。文書には図書館長のヴラジミル・グロンスキーが署名している。

14.30.
ロシアの主要な劇場の指導者らの呼びかけに1000名以上の署名が集まる。署名者にはマリナ・アンドレイキナ、ソフィヤ・アプフェリバウム、ニキータ・ベテフチン、アナトリー・ベールイ、ドミトリー・ヴォルコストレロフ、アントン・ゲチマン、カマ・ギンカス、エヴゲニー・グリシュコヴェツ、ミハイル・ドゥルネンコフ、ジノヴィー・マルゴリン、エヴゲニー・マルチェッリ、ヴラジミル・ミルゾエフ、アンドレイ・プリコテンコ、ヴェニアミン・スメホフ、アンナ・シャラショヴァ、イルテ・ヴェンガリテ、ゲンリエッタ・ヤノフスカヤなどがいる。

13.00.
メイエルホリド・センターのPR担当部門に所属するソファ・クルグリコヴァが自身のSNSで、劇場の新しいディレクターのオリガ・ソコロヴァからの最初の指示について投稿。
「私はソファ・クルグリコヴァといいます。メイエルホリド・センターのInstagram(@meyerholdcentre)を担当しています。今日私は、ドラマ芸術学院と統合されたメイエルホリド・センターの新ディレクター、オリガ・ソコロヴァの指示で、ウクライナでの「特別作戦」への抵抗を表したポストを削除しました。ごめんなさい。私たちのレジデンスアーティスト、残ったメイエルホリド・センターの職員たちのためにやりました」と投稿で述べている。
昨日3月1日にモスクワ市長の公式サイトにてメイエルホリド・センターとドラマ芸術学院の統合に関する情報が公開されていた。またこれ以前に、演出家ドミトリー・ヴォルコストレロフがメイエルホリド・センターの芸術監督の職を退いたことも明らかになっている。この決定はモスクワ市文化局により下されたもの。2月24日にはエレナ・コヴァリスカヤがメイエルホリド・センターのディレクター職を辞している。ウクライナ領内での戦時行動が行われている中で職業的責務を継続することは不可能とした上での辞職と述べている。統合された劇場の新ディレクターにはオリガ・ソコロヴァが就任した。

11.00.
アルヴィス・ヘルマニスは3月4日にネイションズ劇場で上演予定の『シュクシンの物語』から自身の名前を削除するよう要求。これについて演出家は自身のFacebookに投稿。

10.00.
指揮者のヴァシリー・ペトレンコがロシア国立交響楽団の芸術監督を辞任。同指揮者の公式サイトにて情報が公開された。
「ウクライナで繰り広げられている悲劇は、もはや今世紀の最も大きなモラルの崩壊、人道的破滅の一つです。〈中略〉この悲惨な出来事への応答として、平和が戻らないうちは、これ以降のロシア国立交響楽団芸術監督の職務を含め、ロシアでの活動を停止することを決断しました」とヴァシリー・ペトレンコは記している。

2.00.
ワルシャワ大劇場がマリウシュ・トレリンスキ演出のオペラ『ボリス・ゴドゥノフ』(ムソルグスキー作)の4月の上演を取り消すと劇場のホームページで告知。同作にはロシア人のエヴゲニー・ニキチンとマクシム・パステルが出演していた。「この作品が、平和な状態で実現するために戻ってこられることを信じています」と劇場サイトでは伝えられている。

1.30.
アンナ・ネトレプコがスカラ座でのオペラ『アドリアーナ・ルクヴルール』出演を辞退。同劇場の広報部によれば「アンナ・ネトレプコは一時的に活動を止め、今後予定されている全てのプロジェクトから離脱しました。このため、彼女は3月9日〔の公演に〕は出演しません」。一方、ネトレプコの夫であるヨシフ・エイヴァゾフの名は未だオペラ『アドリアーナ・ルクヴルール』のポスターに掲載されている。
先日、ウクライナ情勢の緊迫化と演者の政治的見解を理由に、アンナ・ネトレプコとヨシフ・エイヴァゾフ両名のオーフス・コンサートホール(デンマーク)への出演がキャンセルされたことについて明らかになっていた。


3月1日

21.05.
アレクセイ・ヴェネディクトフ〔独立ラジオ局「モスクワのこだま」局長〕が、「モスクワのこだま」の放送を停止されたと伝える。

19.00.
演劇批評家、演劇学者のアリョナ・カラシは自身のFacebookに舞台芸術大学(GITIS)を辞職すると投稿。同氏はロシア演劇史学科の上席講師で、2020年まで演劇学学部で演習を担当していた。
「私は、かつて兄弟であったウクライナに対するロシアの「軍事的行動」を絶対に容認しないことをここに宣言します。同時に、四半世紀にわたって誇りを持って教鞭を取ってきたGITISとの関係を完全に断ちます」。

18.40.
各種メディアが、3月1日にバイエルン国立歌劇場を解任された指揮者のゲルギエフと歌手のアンナ・ネトレプコが、7月1から10日にクリン〔モスクワ州〕で開催される第7回チャイコフスキー国際フェスティバルに招待されたと報道。

18.00.
現代美術センターのGES-2のキュレーター、ニキータ・ラスカゾフとエカテリーナ・クルペンニコヴァが抗議の意思表示として自発的に辞職したことが本日判明。
V-A-C財団の音楽プログラム担当キュレーター、ニキータ・ラスカゾフは現状について次のようにコメント。「私はGES-2の仕事を辞めます。自身と施設を引き離す能力は極めて重要です。この施設は自分自身を見つめ、現実にある場所や人々との結びつきを損ないつつある施設の目的や手法から自立して行動することを許してくれました。施設の一員として、人々を集め、好奇心があり革新の力が感じ取れるアーティスト達を支援するために、機会や資金を配分することがまだできていたときには、その結びつきを保とうと努めていました。〈中略〉
ここでの仕事の5年間に出会ってきた人々は、私を変えてくれ、私がどのように、なんのために働きたいのかをより明確にしてくれました。すべてのプロジェクトの抜本的な見直しが必要ですが、この施設はそれを行なうことができないのです。沈黙を選択した場所に私が残り続ける限り、私の個人的な立場は何の価値もないのです」。
これ以前にGES-2からは、《サンタバーバラ/ラグナル・キャルタンソンの生きている彫刻 》企画展キュレーターのエカテリーナ・クルペンニコヴァが、施設の沈黙への抗議として辞職している。
現時点でGES-2のSNSでは、人事異動及びその他展示会場のニュースに関する投稿へのコメント欄が閉じられている。

17.00.
ここ数日間でゴールデン・マスク賞のプログラムに変更が加えられた。2月28日にカールソン・ハウス劇場(ペテルブルク)『金の鶏の物語』の2ステージ目がキャンセルされ、3月1日にはニジニ・ノヴゴロド・オペラ・バレエ劇場の『フィガロの結婚』は指揮者の出演が取り消しになった。テアトル誌は、検閲とも受け取れるこうした制限の発案者となった人物は誰なのかを調査した。(別記事参照http://oteatre.info/na-zolotoj-maske-otmenyayut-spektakli-i-zamenyayut-ispolnitelej/)

16.30.
〔映画監督の〕エミール・クストリッツァはロシア陸軍劇場の芸術監督にならず。先日、国防省はクルトリッツァが同劇場を率いると伝えたが、ロシア陸軍劇場広報部はこれについて発言していなかった。
「私はロシア陸軍劇場で作品を作るというアイデアは断っていませんし、モスクワで合意したことは何も否定していません。これが正式にはどのような形になるのか、主任演出家なのか、演出家なのか、私は知らない。我々はまだ契約書にサインしていない」とクストリッツァは述べている。彼は、”director”という単語の誤訳によりロシアのマスメディアに混乱が生じたのだろうと付け加えた。

16.00.
演出家のドミトリー・ヴォルコストレロフがメイエルホリド・センターの芸術監督を辞職したと判明。本決定はモスクワ市文化局による。詳細は当サイトの個別ニュース(в отдельной новости)を参照のこと。

13.00.
ヴャチェスラフ・ヴォロジン〔ロシア連邦下院議長〕が自身のテレグラムで、1932年のゴーリキーの有名なパンフレット「誰とともに歩むのか、文化の指導者たちよ」(1932年)風に投稿。ロシア連邦下院議長は、本日、ウクライナの現状に対して公の場で自身の立場を「月曜日までに表明しなかった」という理由でミュンヘン市長の決定に従いミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者を解任されたヴァレリー・ゲルギエフを擁護。
ミュンヘン市長のレトリックを非難したロシア人官僚は次のように補足し、自身の声明を結んでいる。
「今日こそ判断の時だ。それぞれが理解すべきは、国を挙げて団結し、挑戦に打ち勝つか、あるいは自分たちを見失うかということだ。この点で、国外のやり方や基準の崇拝者、それは芸術監督であれ、演出家であれ、俳優であれ、女優であれ、ロシア国内で働いているショー・ビジネスの代表者たちは、ミュンヘン市長が言ったように、ウクライナの状況に関して「月曜日までに立場をはっきりと決める」べきなのだろう」。

12.00.
ヴァレリー・ゲルギエフがミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者、及び芸術監督を解任される。
この解任はミュンヘン市長ディーター・ライテルの決定による。
これ以前にゲルギエフはウクライナ領土における軍事紛争に関して公に立場を表明するよう求められていた。ライター市長は、ゲルギエフがプーチン大統領に対する肯定的評価を見直すよう期待していた。「これに応じなかった以上、残されたことはただ一つ、すみやかな離別です。その他のことに関しては、できる限り迅速に精査していく」とライター市長は述べた。

10.00.
モスクワの劇場、演劇芸術スタジオが劇場創立記念日のイベントを行なわないことを決定。同劇場のサイトでは次のように公表される。
「親愛なる観客、友人の皆さん!
3月1日、私たちは毎年、館の記念日を祝い、お客様をお迎えし、抱擁しあい、笑い合っていました。しかし、今年はそのようなお祝いはできません……
全ての人に平和と、光と、善きことと、愛がありますよう。
あなたたちのスタジオより」
ゴーゴリ・センターもこの前日、同様に劇場創立記念日のイベントを取りやめている。

1.39.
TASS通信がギリシャ文化スポーツ省公式SNSを引用して報じたところによれば、同省大臣リナ・メンドニは2月28日(月)に、ロシアの文化機関とのいかなる実施、協働、企画、協議も中止するよう指示。また「ガラ・オペラ」の企画、3月6日(日)に予定されていたボリショイ劇場のバレエ『白鳥の湖』のモスクワからの生中継(於アテネ・コンサートホール)も取り止め。

0.40.
ロサンゼルスのハリウッド・ウォーク・オブ・フェイムにて、ベネディクト・カンバーバッジがウクライナ情勢に注意を払うよう呼びかけ。


2月28日

23.30.
指揮者のイヴァン・ヴェリカノフが自身のFacebookにて、公の発言原因を理由に、3月1日のモスクワでのゴールデン・マスク賞への出演を拒否されたと伝える。
「25日、ニジニ・ノヴゴロド・オペラ劇場での本番前に行なった私の短い反戦スピーチとベートーヴェン《歓喜の歌》のテーマ演奏との関連を手短にお知らせします。私は明日(3月1日)、モスクワにおけるゴールデン・マスク賞演劇祭での『フィガロの結婚』の指揮を降ろされました。
私を擁護しようとしてくださった方々への感謝と私の出演変更に同意しなかった同僚の皆さんへの敬意を述べさせていただきます。作品と参加者の皆さん全員(明日、譜面台の前に立つファビオ・マストランジェロも含めて)のご成功をお祈りします!」
3月1日にノーヴァヤ・オペラ劇場で上演予定だったニジニ・ノヴゴロド・オペラ・バレエ劇場の作品『フィガロの結婚』は、ヴェリカノフ(音楽監督)と演出のドミトリー・ベリャヌシュキンの共同製作である。『フィガロの結婚』は、ヴェリカノフ氏の指揮者賞を含む、7つの賞でゴールデン・マスク賞にノミネートされている。

22.00.
マールイ・ドラマ劇場/ヨーロッパ劇場の芸術監督レフ・ドージンがウクライナの出来事に関するオープンレターを公表。同氏は以前にもプーチン大統領に対し、個人的な書簡を送っていた。

19.00.
ボリショイ劇場は、3月8日に予定されていたプラシド・ドミンゴのコンサート「春・愛・オペラ」の中止を発表。劇場のウェブサイトおよびSNSで、コンサート中止の理由は公表されていない。

17.30.
2022年のゴールデン・マスク賞国際プログラムでのモスクワ公演を、幾人かの著名なヨーロッパ演出家たち、クリスチャン・ルパ〔ポーランド〕、クシシュトフ・ワリコフスキ〔ポーランド〕、コーネル・ムンドルツォ〔ハンガリー〕らが即座に拒否。

16.00.
ヴェネツィア・ビエンナーレのロシア・パビリオンのチームが2022年の参加をキャンセル。パビリオンの公式Instagramの投稿では、「私たちはプロジェクトにおける最終的な意見は、芸術家とキュレーターにあると考えています。いましがた、キリル・サフチェンコフ、アレクサンドラ・スハレヴァ、ライムンダス・マラシャウスカスは、第59回現代美術ビエンナーレへのロシア・パビリオンに出展はできないと言明しました。ロシア・パビリオンは2022年ヴェネツィア現代美術ビエンナーレには参加しません」と述べられている。
この声明への応答として、ヴェネツィアビエンナーレのInstagramには、展示のオーガナイザーらがロシアパビリオンチーム決定に理解を示して応じると発表された。
「私たちはこの勇気ある高潔な行動に心からの連帯を表し、ウクライナの全住人を襲った悲劇を劇的に象徴するこの決断に至った動機を支持します」。
これ以前、プラハカドリエンナーレでロシアからの参加者たちがボイコットされたことも参照されたい。

15.45.
芸術文化教育機関協会がドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国の承認を支持する声明を公開。声明には、ロシア国立舞台芸術大学(GITIS)学長グリゴリー・ザスラフスキー、全ロシア国立映画大学(VGIK)学長ヴラジミル・マルィシェヴァ、シューキン演劇大学学長エヴゲニー・クニャゼフ、グネーシン・ロシア音楽アカデミー学長アレクサンドル・ルィジンスキー、チャイコフスキー・モスクワ音楽院学長アレクサンドル・ソコロヴァの署名も。
テアトル誌は協会の言葉や句読点のミスも含めて修正を加えず、一言一句原本通りに、声明の一部を以下に抜粋する。「芸術文化高等教育機関協会はドネツク人民共和国・ルガンスク人民共和国の承認に関する決定に理解を表します。これら共和国での人々の生活における悲劇と不確実性に終止符を打たねばならなかったことは明らかです。ロシアの歴史において、ウクライナ人を含む兄弟たる民族たちに対して助けが必須だったことは一度ではありません。平和的な人々の犠牲に私たちは心を痛めています。国家間の状態が急速に緊迫化し、国外からはロシア社会を分断し、パニックを引き起こし、いま生じている出来事の意味を歪曲しようと積極的に働きかけてきていることを協会は指摘しておきます。ロシアに対して情報戦が繰り広げられている今この時、教員たちに、学生が信頼している人たち、明確かつ誠実にいま起こっていることの特性を解き明かすことができる人たちに、どのような責任があるのかを理解することが極めて重要なのです……」

15.24.
ゴーゴリ・センターは劇場創立記念イベントの中止を発表。SNSで以下の様に公表。
「私たちは3月2日の劇場創立記念日のイベントを中止します。劇場創立記念日コンクールに寄せて送ってくださった皆さんからのお便りを受け取りました。本当に素晴らしいものばかりで、もちろん全て読みました。すべてのメッセージに対して、必ずお返事を書きます。
あなたたちのゴーゴリ・センターより」
この投稿に、ユーリー・レヴィタンスキーに捧げられた演劇作品『僕は戦争に加わらない』の断片映像が添えられている。『そこにいたことが何だというのか…(Ну что с того, что я там был…)』(1948)の詩を読んでいるのは俳優のフィリップ・アヴデーエフ。
一月前、劇場は感染拡大により2月2日から3月2日にイベントを延期していた。

10.33.
イギリス・ガーディアン紙が、クラスノヤスルク国立バレエ・オペラ劇場バレエ団のツアー公演が途中で中断されたと報道。ノーサンプトン、ウルヴァーハンプトン、ピーターバラでの出演が取り消された。報道によれば、ノーサンプトンのロイヤル&ダーンゲート劇場の近くでは、出演拒否を強いられたアーティストたちへの同情を人々が表しているという。クラスノヤルスク国立バレエ・オペラ劇場の公式サイトには、ツアー公演の中断に関する情報は出ていない。

5.09.
ニューヨークのメトロポリタン歌劇場はロシア政府と関連のあるアーティスト、文化施設との作品制作を中止。メトロポリタン歌劇場総裁のピーター・ゲリブの声明文で語られている。彼の言葉によれば、制限は「ウクライナでの軍事作戦が止まらないうちは」継続される。
また通知の中ではとりわけ、「ロシアとアメリカ合衆国におけるアーティストや諸機関同士の永きにわたって存在している温かな友好的、文化的な繋がりを、私たちがどれだけ強く信じていたとしても、ロシア大統領を支持したり、その援助を受けているアーティストや機関との協働を続けることはできない」と述べられている。


2月27日 

23.02.
ウクライナ文化情報政策省のウェブサイトで「ロシア連邦への文化的制裁の要求」が公表される。ヴラド・トロイツキー、ナタリヤ・ヴォロジビト、オクサナ・ルィニフ、オレグ・センツォフらが署名した文書には、ロシアに対する文化的ボイコットや国際プロジェクトへのロシア人の参加禁止が記されている。要求には、ロシア連邦が関係するプロジェクトの中止、大規模な国際催事(フェスティバル、本の見本市など)へのロシア人の参加中止、国外のロシア文化機関の活動停止、「ウラジミル・プーチン体制への支持を公言しているアーティストや芸術家」との協働拒否などが含まれる。

21.00.
本日、技術者劇団Akheの創設者の一人であり、「ゴールデン・マスク」賞コンクール・プログラム(人形劇部門でノミネート)としてタガンカ劇場(モスクワ)で上演された『金の鶏』の演出家、マクシム・イサエフがロシア政府にウクライナでの軍事行動をやめるように呼びかけ。

18.30.
プラハ・カドリエンナーレがロシアからの参加者をボイコット。
〔Prague Quadrennial:チェコ・プラハで行なわれる劇場建築、舞台美術など、パフォーミングアーツに特化したデザインの国際フェスティバル〕
フェスティバル公式の発表では、「ATI(Arts and Theatre Institute)およびプラハ・カドリエンナーレは、ウクライナにおけるロシア軍の侵攻に態度を表明することを決定しました。2023年、フェスティバル実行委員会はロシアの参加申請を却下します」と記されている。

17.30.
ロシア人演出家・劇作家のエカテリナ・アヴグステニャクが逮捕される。これについて彼女は17時30分に自身のFacebookに投稿。数時間後に釈放された。

13.36.
スタニスラフスキー・ネミロヴィチ=ダンチェンコ音楽劇場(モスクワ)バレエ団の芸術監督でフランス人バレエマスターのローラン・イレールが劇場からの離脱を決定。
「私たちの劇場バレエ団の芸術監督のポストを辞任することは、ローラン・イレール個人の決断です。残念ではありますが、数年にわたる彼の実り多き仕事に感謝しています」と劇場広報部はコメント。
これより前、フランスのAgence France-Presse(フランス・メディア・エージェンシー)に、イレールは「複雑な状況を鑑み、職を辞してモスクワを去る」と述べていた。


2月26日

20.45.
モスクワ芸術座、ボリショイ・ドラマ・シアター(ペテルブルク)、ゴーゴリ・センター(モスクワ)、ロシア・アカデミー青年劇場(モスクワ)、アレクサンドリンスキー劇場(ペテルブルク)が劇場ロゴに〔平和の象徴である〕鳩の形象を加える。

13.13.
ヴラジミル・マシコフのウクライナに関する発言により、オレグ・タバコフ劇場のレパートリー演目から『水兵の沈黙』が削除される可能性。原作者アレクサンドル・ガリチャの息子で、戯曲の著作権を所有している人権擁護運動家のグリゴリー・ミフノフ=ヴァイテンコは、同俳優の立場に断固として同意せず。ヴラジミル・マシコフは前日深夜、ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の独立性を承認する大統領の決定を支持し、それを「平和な生活への希望である」と表現した。3月4日に上演される『水兵の沈黙』のチケット収入について、同俳優は両共和国の住民に譲渡すると決めていた。
ミフノフ=ヴァイテンコはソベセドニク出版との対談の中で現状について以下の様にコメント。「相対的に誠実な人間として、まず最初にあの発言は確かにマシコフによって出されたものであるということ、そしてあれが彼の立ち位置なのだということを確認しなければなりません。彼が多忙であることは承知しており、誰かが彼の代わりにページを更新していることだってありえるからです。これについては確かめる必要があります。しかし、もしあの情報が事実であるならば、私は今後『水兵の沈黙』があの劇場の舞台で上演されることは、断固として受け入れません。もし劇場が私の要求を無視するのであれば、違約金が課されるでしょう。それは劇場を経済的に追い詰めることになります」。

7.24.
ボランティア団体、財団、NPO団体がヴラジミル・プーチ大統領に対する声明を公開。80名以上が署名。


2月25

23.28.
ロイヤル・オペラ・ハウス(コベント・ガーデン王立劇場)がウクライナ情勢を背景として、ボリショイ劇場のツアーをキャンセル。TASS通信はこれについて劇場スポークスマンの言葉を引用して報じる。「ロイヤル・オペラ・ハウスでのボリショイ劇場バレエ団の夏季ツアーは、調整の最終段階に入っていました。残念ながら、昨今の状況において、このツアーは行なうことができません」。

23.00.
モスクワ市立オレグ・タバコフ劇場の俳優、芸術監督であるヴラジミル・マシコフがドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の承認を支持。これについて彼は自身のInstagramアカウントに投稿。

20.30.
国際現代アートフェスティバル「テリトリア」がウクライナでの情勢、及び文化的連係の維持について表明。フェスティバルの公式SNSに投稿が公開され、アンナ・アバリヒナ、ドミトリー・ヴォルコストレロフ、ロマン・ドルジャンスキー、ティモフェイ・クリャービン、アレクセイ・ノヴォセロフ、エカテリナ・ヤキモヴァ、フェステバルスタッフ一同が署名。

18.05.
トヴェルスキー裁判所での審理の結果、2月24日の単独ピケットを行なった演劇プロデューサー・演出家・劇作家のユーリー・シェフヴァトフは、15+15日の勾留判決。違反条例は以下の2つ――条例20条2項 (「集会・ミーティング・デモ・行進・ピケッティングの組織または開催に関する手順の違反」)及び19条3項(「警察、軍、軍務従事者、連邦保安局、当局関係者の合法的命令への抵抗」)。シェフヴァトフによれば、彼は拘束時に殴打されている。これについてユーリー・シェフヴァトフは自身のFacebookに投稿。

17.23.
ラトヴィア文化大臣ナウリス・プントゥリスがロシア文化省との協力協定を一方的に解消。これに関して、彼は自身のFacebookにて公表した。

16.00.
リトアニア文化大臣シモナス・カイリスの厳しい声明を受けて、リマス・トゥミナスがヴァフタンガフ劇場を解任されたとメディアが報道。本件に関してトゥミナスは公式声明で肯定せず。

14.30.
マヤコフスキー劇場芸術監督のミンダウガス・カルバウスキスがFacebookに「俺もやめる!」と投稿。

13.00.
ボリショイ劇場とマリインスキー劇場は期間未定でアレクセイ・ラトマンスキーのプレミア公演を延期。モスクワではバレエ『フーガの技法』、ペテルブルクではバレエ『ファラオの娘』が延期される。振付家は、レジデンスアーティストとしてアメリカン・バレエ・シアターと共同制作しているニューヨークに出国した。
「その時が来たら、この作品を完成させるためにモスクワに戻って来られることを望んでいます」――ボリショイ劇場SNSでのアレクセイ・ラトマンスキーの発言から。

12.10.
ラトヴィア国立オペラが公式サイトにて、ウクライナにおけるロシアの特別作戦に対して公に非難したアーティストのみと協働すると発表。2月25日以降、各上演前にウクライナ国歌が演奏される。

10.30.
演劇批評家協会が国際演劇批評家協会ウクライナ支部会員へのオープンレターを公開。

1.36.
ニューヨークのカーネギー・ホールで指揮者のヴァレリー・ゲルギエフとピアニストのデニス・マツエフの出演が拒否される。
「カーネギー・ホールとウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は、ヤニック・ネゼ=セガンが2月25日、26日、27日の三つのコンサートでヴァレリー・ゲルギエフの代わりにウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の指導者を務めることを共同でアナウンス」とカーネギー・ホールのウェブサイトに掲載。
デニス・マツエフの代わりを務めるピアニストの名は追って公表される。


2月24日

23.00.
ロシアのシェイクスピア研究者たちがウクライナ情勢について声明を公開。芸術学博士のアレクセイ・バルトシェヴィチ、文学准博士のヴラジミル・マカロフ、ドミトリー・イヴァノフ、哲学准博士のボリス・ガイジン、芸術学博士のナタリヤ・スコロホドや他多数が署名をしている。

22.40.
劇作家、演出家、俳優のエヴゲニー・グリシュコヴェツが自身のブログでウクライナ情勢についてのメッセージを公開。

22.00.
指揮者のヴラジミル・ユロフスキーが週末のベルリン放送交響楽団のプログラム変更について公表。Music Life誌の報道によれば、チャイコフスキーの《スラヴ行進曲》の代わりに、ミハイル・ヴェルビツキ(1815-1870)作曲のウクライナ国家《Ще не вмерла Україна(ウクライナは未だ滅びず)》および同作曲家の交響曲序曲第一番が演奏される。

21.40.
作曲家のアレクサンドル・マノツコフがモスクワ警察メシャンスキー署から釈放。彼に対して申し立てられた告訴は、近日メシャンスキー裁判所で審議される。

20.30.
演劇プロデューサー、演出家、劇作家のユーリー・シェフヴァトフが単独の反戦ピケットにより拘束されたことが判明。〔現在〕内務省トヴェルスカヤ支部にいる。シェフヴァトフの妻、劇作家のスヴェトラナ・ペトリーチュクによれば、彼は殴られ、警察署に一晩留置された。彼は条例20条2項「集会・ミーティング・デモ・行進・ピケッティングの組織または開催に関する手順の違反」の咎で提訴。この違反により1-2万ルーブルの罰金、もしくは40時間以内の強制労働が課せられる。

19:54.
モスクワで無許可の反戦集会に参加したため、作曲家のアレクサンドル・マノツコフが拘束。先立って2月24日昼に、アレクサンドル・マノツコフは Facebookの自身のページで次のように投稿していた。「15時にプーシキン広場に行く。もう待てない。#явыхожу(私は声をあげる)」。
作曲家は〔現在〕モスクワ市メシャンスキー地区ロシア内務省支部にいる。2月24日、モスクワ時間19時54分時点で、38の都市で497人以上が拘束された。

19:53.
〔マリインスキー劇場の〕プリマ・バレリーナ、ディアナ・ヴィシニョーヴァがウクライナでの出来事に対して自身の態度を表明。

18:51.
ジャーナリストのミハイル・ズィガリがロシア国民に向けて次のように呼びかける。「これは私たちの恥だ。しかし残念ながら、私たちの子どもたち、幼いロシア人、まだ生まれてもいないロシア人たちもその責任を負わなければならない」。請願書には俳優のチュルパン・ハマトヴァ、俳優のアナトリー・ベールイ、演出家のヴラジミル・ミルゾエフ、劇作家のイヴァン・ヴィルィパエフや、その他数十名のロシア文化関係者が署名している。

15:49.
若手劇作家フェスティバル「リュビーモフカ」がウクライナでの出来事に関して、その立場を表明。声明全文はフェスティバルのSNSを参照されたい。

15:10.
Театр.doc(テアトル・ドク)がすべての観客と作者に呼びかけ。「私達は信じています。演劇は人々を和解させることのできる芸術であり、ドキュメンタリーとは他者の中に人間を見出す可能性であると」、「それぞれの人間の個性、経験、記憶、運命はかけがえのないものです。人間とは、かけがえのないものなのです」。

15:01.
スカラ座首脳部はロシア人指揮者のヴァレリー・ゲルギエフに対し、ウクライナを巡る状況について立場を明確にするよう要求。応じない場合、3月5日から13日に上演予定のオペラ『スペードの女王』への出演を見送ると警告。
本件についてイタリアANSA誌が以下の様に報じている。「私たちスカラ座ではヴァレリー・ゲルギエフ氏が指揮をする『スペードの女王』が上演されている。氏はヴラジーミル・プーチン ロシア連邦大統領との親密さを公にしており、私たちは氏が自身の立場をはっきりと明確にし、(ウクライナへの)侵攻反対を表明しなくてはならないと考える。そうでなければ、彼との協働関係の中止に踏み切ることになる」。

14:30.
エレーナ・コヴァリスカヤはFacebookでウクライナで起こっていることへの抗議の意思表示として、メイエルホリド・センターのディレクターを辞任することを表明。

13:35.
演劇プロデューサーのレオニード・ロベルマンがフェイスブックにて、ドミトリー・クルィモフ演出『ボリス』のポーランドツアーキャンセルを発表。テアトル誌はポストの全文を以下に引用する。
「親愛なるレオニード、残念ながら、目下の政治的状況をふまえ、私たちの招聘(『ボリス』のツアー)および2022年のフェスティバルで予定されていた協働を中止せざるを得ないことをお知らせいたします……
この2年間、私たちは国際演劇祭『Kontakt』(於トルン市、ポーランド)のプログラムへの『ボリス』の参加について話し合いを続けてきました。先方は私たちが来ることを本当に望んでいた! 彼らはこのツアーが成立するように可能、不可能を問わずあらゆることをやってくれました。クルィモフはじめ我々に関係するあらゆることを本当に大切に思っています。
ああ!……2月24日は私たちのプランを丸ごと消し去ってしまいました。それだけでなく、遠い未来のプランも。今となっては、3月の公演が行なえるかどうかもわかりません。というのも、我々がイスラエルから招聘したアレクサンドル・デミードフが3月に本当に飛び立てるのかどうかも、そもそも3月に他のことが「飛べる」のかどうかもわからないのです。現状わかっているのはただ一つ――今月、予定されている『ボリス』が上演されるということです。今まで、上演に足を運んでくれるよう観客の人たちにお声がけしたことはありませんが、今回ばかりはお願いします。いらしてください! この作品は私たち自身についてです! 今現在についてです! 前にも後にも二度とない現在についてなのです!」


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