ロシア演劇界タイムライン(2022年2月24日-)11ヶ月目

凡例

タイムラインはテアトル誌を踏襲し、時系列を遡る形で記している(新しい情報が上)。

訳者による割注は〔〕で記している。

戯曲、小説、上演等の作品タイトルは内容を確認できていない場合、仮置きの日本語訳を記している。

人名におけるアクセントの音引きは、基本的には表記しない。

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ロシア演劇界タイムライン(2022年2月24日-)11ヶ月目

Театр.誌原文(11ヶ月目)

(翻訳:伊藤愉)

▶︎公開:1月25日23:30
▶︎更新:2月8日06:10


2月24日、テアトル誌はウクライナ領の状況に関連するタイムラインの記録を開始した。

*Roscomnadzor(ロシア連邦通信・IT・マスメディア監督庁、Federal Service for Supervision of Communications, Information Technology and Mass Media)はロシア軍によるウクライナ各都市への砲撃やウクライナ民間人の犠牲関する情報、および進行中の作戦を攻撃・侵略・宣戦布告と呼ぶ資料は現実に即していないとみなしている。


編集部は週ごとのタイムラインを月ごとのタイムラインに切り替えることに決めた。だが、私たちは近いうちにこうしたタイムラインを公開する必要がまったくなくなることを望んでおり、それを信じている。


1月20日

20:00. 
ヴァフタンゴフ劇場はドンバスの軍事部隊を支援し、劇場従業員の給与を引き上げた。劇場ディレクターのキリル・クロクが新年休暇明けの劇場メンバーへの書簡で通知した。編集部の手元に寄せられたこの書類の抜粋を公開する。
メッセージでは次のように語られている。「今年、私たちは12月に始めた軍事部隊の一つへの支援を継続します。私たちは、みなも知っているように、年明け前に、暖かい衣類、基本的な必需品をつめた大きな荷物を兵士たちに送りました。このアクションに参加してくれた人全員にもう一度大きな感謝を伝えたい。多くの人々は、時間がなく、私にメッセージを送ってきました。そして、これは、一度きりの話ではないことをお伝えします。私たちはそれを恒常的なものとしたいのです」。
「これは任意です」とクロクは強調している。「誰からも強制されてはいません。この取り組みは、私たち劇場内部から生まれた取り組みです。だからこそより価値があり、必要なのです。1月末に私たちは再びドンバスの師団に、彼らが必要としているもの、困難な時に役立つもの、彼らを暖めるものを送ります。これは私たちにとってとても重要なことなのです」。
またキリル・クロクは、劇場従業員全員の給与を引き上げることに関しても言明している。「このように道徳的に困難な年だったにもかかわらず、経済的には、不思議なことに、私たちは非常に健闘しました。これもまた私たちの生活のパラドックスなのですが、コロナ以後、おそらく、経済的な観点から見れば、私たちの生活で最も成功した年の一つでした。そのため、2023年1月1日から私たちは次のことを実現できるのです。ヴァフタンゴフ劇場の従業員一人ひとり、いいですか、フルタイムかハーフタイムかにかかわらず、一人ひとりの給与を1万ルーブル増額します」とクロクは記し、従業員420人で所得税や保険料を考慮すると、年間740,000,000ルーブルになると明記している。
メッセージの文末でキリル・クロクは、劇場が改修におよそ2年間を費やしたヴラジカフカスの「ヴァフタンゴフの家」のオープニングに全てのヴァフタンゴフ劇場関係者を招待している。「たとえ、ヴラジカフカスで行なう巡業公演に関わっていなくとも、万難を排して、「ヴァフタンゴフの家」のオープニングに来てください。きっと記念となるイベントに、歴史的な出来事になることでしょう」。


1月19日

16:05.
ヴィリニュス・オールド・シアター(VST)(2022年9月以降の名称、かつてのリトアニア・ロシア・ドラマ劇場)は、製作者や劇作家あるいは戯曲の著作権者が「ロシアの政策を支持している」作品の上演を中止した。
リトアニア・ラジオ・テレビ(LRT)が引用している劇場の公式発表によれば、「作品の劇作家、著作権者、製作者の中から」ロシア人に関する新たな事実が判明した後、VSTは責任を持って、劇場が公表している価値観と矛盾する作品を上演しないことに決定しました」。LRTは劇場が上演を拒否した作品のリストを掲載している。それは、ヴラジミル・グルフィンケリの『意志(Воля)』(シュクシンの短編原作)、フィリップ・ロシの『ユートピア』(ミハイル・ドゥルネンコの戯曲原作)、アレクセイ・ウテガノフの『ねこのいえ(«Кошкин дом»)』(マルシャークの戯曲原作)、レラ・スルコヴァの『ゴルカ』(アレクセイ・ジトコフスキーの戯曲原作)、そしてアグニュス・ヤンケビチュスの二作品『氷』(同名のヴラジミル・ソローキンの小説原作)と『忌まわしき愛(«Проклятая любовь»)』(パヴェル・サナエフの書籍『幅木の裏に僕を埋めて』原作)。
VSTのレパートリーの変更の前段階として、リトアニア・ラジオ・テレビの呼びかけがあった。同メディアの関係者がソリ分けVSTに対して俳優で演出家のアレクセイ・ウテガノフ(1968-1986年にマリウポリ劇場の主任演出家だったアレクサンドル・ウテガノフの息子)は、「ロシアのテレビ画面では、恐れを知らない特殊工作員とロシア軍人を体現しており……、劇場はいまでもこの著名なロシア人俳優が演出する「ねこのいえ」を上演している」。
劇場は、政界情勢の変化に応じて適切な対応をとり、新しい環境に応じたレパートリーを修正するため、VST内部でワーキング・グループを設置すると発表した。
一週間前には、リトアニア国立オペラ・バレエ劇場が「文化省の勧告に従い、レパートリーを変更し、ロシア人作曲家の作品を拒否します」と発表していた。プロコフィエフとストラヴィンスキーの音楽に基づくポーランド人とリトアニア人の振付家による作品は演目予定表上で、カフカ『審判』をモチーフとしたバレエ作品とさまざまな作曲家(その中には、スターリン賞を受賞したスタシス・ヴァイニウナスもいる)の音楽を用いる『バルバラ・ラジヴィウヴナ』に変更されていた。


1月17日

15:00.
アレクサンドリンスキー劇場とプーシキン記念プスコフ・アカデミー・ドラマ劇場は、ルスペカエフ記念ルガンスク・アカデミー・ロシア・ドラマ劇場の舞台で上演を行なう。
両劇場の作品は「リーディング・シアター」による「グランド・ツアー」の一環として行なわれる。1月22日に、アレクサンドリンスキー劇場は、「皇帝のホワイエでのモノローグ」シリーズの一つであるセルゲイ・パルシナの一人芝居『生きていたいんだ!(Охота жить!)』を、2月23日にはプスコフ・ドラマ劇場がダミル・サリムジャノフ演出の『ピグマリオン』(同名のバーナード・ショーの戯曲に基づく)を上演する。

14:00.
国家院文化委員会メンバーであるセルゲイ・ソロヴィヨフが外国エージェントに認定された、もしくは「反ロシア的活動で有罪判決を受けた」映画俳優に制裁を適用することを提案したとタス通信が報じる。議員が提案する具体的な取り組みとしては、映画にラベルをつけることや、該当する俳優が登場する場面を削除するなど。ソロヴィヨフは制限的な措置を導入する前に開かれた議論を行なうことを提案している。「私の考えは、国内における彼らの活動の創造的成果をすべて抹消するためには、そうした作業を実施する必要があるということです。どういった形式でこれを行なうか、映画関係者と市民が決めるべきでしょう。これはもちろん、国家の管理下で行われ、妥協なく表現すれば、社会的な検閲とも言えますが、社会と国家の利益のためなのです」。
RIAノーヴォスチによれば、ロシア連邦国家院議員のエレーナ・ドラペコはソロヴィヨフの提案を「非常識」と名指したものの、彼女は外国エージェントの俳優が国家予算による映画に出演することを禁じる取り組みを提案した。「私はこうした俳優たちに予算内で新しい映画に出演する権利を与えるべきではないと考えていますが、古い映画は残すべきではないでしょうか。なぜ我々の財産を放棄しなければならないのでしょう」とドラペコは発言した。


1月16日

15:00.
チェーホフ記念モスクワ芸術座がHPに、1月29日のヤーノシュ・サース作品『巨匠とマルガリータ』でヴォランドの役をアナトリー・コトが初めて演じると発表した。2011年の初演からヴォランド役はドミトリー・ナザロフが演じていた。
1月14日に、反戦的態度を明確にしていたドミトリー・ナザロフとその妻で女優のオリガ・ヴァシリエヴァはチェーホフ記念モスクワ芸術座から解雇されていた。解雇通告には劇場芸術監督のコンスタンチン・ハベンスキーが署名していた。
同様に、劇場は1月21日に予定されていた、ナザロフが出演していたキリル・セレブレンニコフ演出の『森林』をヴラジミル・マシコフ演出の『№ 13D』に変更した。『森林』は2月8日の公演予定にも記載されているが、サイトではナザロフが演じていたネシャスリフツェフが登場人物一覧から消えている。

12:00.
俳優のアントン・シャギンは、慈善財団「人民戦線 全ては勝利のために」とともに、特殊部隊のための募金を開始した。財団のサイトには俳優が呼びかける動画が掲載されている。動画のなかでシャギンは次のように語っている。「親愛なるみなさん! 「人民戦線」と共に私たちは我が国の軍人たちのための募金を始めました。必要な物資はすべて購入し、前線の人々に送ります。明細はすべて「人民戦線」のサイトに公開します。あらゆる協力、あらゆる支援が私たち皆の勝利を引き寄せるものとなります。あたたかい支援に感謝します。私たち全員に善良さと強さを」。
募金企画者リストには、女優でタガンカ劇場ディレクターのイリーナ・アレクシモヴァ、俳優でモスクワ市立オレグ・タバコフ劇場芸術監督のヴラジミル・マシコフ、俳優で映画監督のイヴァン・オフロブィスチン、俳優で国家院議員のドミトリー・ペフツェフらも名前を連ねている。


1月15日

18:10. 
ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領はロシアのメディア関係者198人に対して制裁措置を導入することを承認。
昨日1月15日、制裁対象者の中には演出家のアンドレイ・コンチャロフスキー、俳優のコンスタンチン・ラヴロネンコ、エゴル・ベロエフ、アレクセイ・ネクリュドフ、アンドレイ・ソコロフなどが含まれることが明らかになったとForbes誌や各メディアが報じている。
1月7日、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領はロシアの文化人119人に対して個人制裁を科す法令に署名していた。本法令はウクライナ大統領府の公式サイトで公開された。制裁は、体制の政策を支持する著名なロシア人音楽家、歌手、俳優、演出家らを対象とする。このリストには次のような演劇関係者たちも含まれている。歌手アンナ・ネトレプコ、俳優のヴィクトル・ドブロヌラヴォフ、ヴラジミル・ステクロフ、ヴィクトル・スホルコフ、ドミトリー・ヂュジェフ、エレーナ・ヤコヴレヴァ、エレーナ・プロクロヴァ、バレエ・ソリストのスヴェトラナ・ザハロヴァ、エカテリナ・クルィサノヴァ、ヴラジスラフ・ラントラトフ、そして映画監督のニキータ・ミハルコフ。
制裁措置は、資産凍結、商取引の停止、および指定された人物が関わる文化交流、教育プログラムや娯楽プログラムの停止である。


1月14日

12:30.
反戦的な立場を公にしていた著名俳優ドミトリー・ナザロフと彼の妻である女優オリガ・ヴァシリエヴァが、チェーホフ記念モスクワ芸術座を解雇。劇場芸術監督のコンスタンチン・ハベンスキーがサインした。
チェーホフ記念モスクワ芸術座の広報部副ディレクターのヴァジム・ヴェルニクはRBCの取材に対して、夫婦の解任の事実を認めた。彼によれば、ナザロフは劇場芸術監督のコンスタンチン・ハベンスキーと話し合いを行ない、その結果、両俳優の解雇の決定がなされたとのことである。先日、2月1日にニジニ・タギルで予定されていたナザロフとヴァシリエヴァが出演するはずだったプロデュース公演(антрепризный спектакль)『愛の根幹(«Корень любви»)』の上演が中止となった。主催者によると、中止の理由は、動員とウクライナでの軍事行動に対する俳優の発言に対してクレームが寄せられたためだという。


1月13日

21:00.
ロシア司法省が外国エージェントの個人リストに俳優のアルトゥル・スモリヤニノフを加える。
アルトゥル・スモリヤニノフはこれ以前にウクライナにおけるロシアの行動を幾度となく批判していたが、「ノーヴァヤ・ガゼータ・エヴロパ」(Roscomnadzor(ロシア連邦通信・IT・マスメディア監督庁)〉により閲覧禁止)に彼のインタビューが掲載された後、ロシア連邦捜査委員会長官のアレクサンドル・バストルィキンは俳優のアルトゥル・スモリヤニノフを刑事告訴するよう指示を出した。
すでに本誌で記してきたように、10月29日、アルトゥル・スモリヤニノフはロシア刑法第20条3.3項の罪(ロシア連邦の軍隊を用いることへの信用失墜を狙った公的な行動)で有罪判決が下され、3万ルーブルの罰金が科されている。10月13日には同俳優がロシアを離れたことが明らかになっていた。


1月12日

20:00.
リトアニア国立オペラ・バレエ劇場(LNOBT)は、ロシア人作曲家の音楽に基づく二つのバレエ作品の上演を中止した。ポーランド人振付家で、LNOBTバレエ団前監督クシシュトフ・パストルの作品『ロミオとジュリエット』(プロコフィエフ作曲)の代わりに、2月10, 11, 14日はアンジェリカ・ホリナ(Анжелика Холина)演出の『バルバラ・ラジヴィウヴナ(Barbora Radvilaitė)』が上演される。この作品では、リトアニア人のスタシス・ヴァイニウナス(Stasys Vainiūnas, スターリン賞受賞)やアルヴィダス・マルシス(Arvydas Malcys)、ポーランド人ミニマリストのヘンリク・ミコワイ・グレツキなど、さまざまな作曲家の曲が用いられている。2月23-25日に予定されていた一幕ものの二連バレエ、パストル演出のシェーンベルク作『浄められた夜』とリトアニア人振付家マルチナス・リメイキス(Martynas Rimeikis)演出のストラヴィンスキー作『春の祭典』は、『審判』の上演に変更された。これは、同名のカフカの小説とリトアニア人作曲家ミンダウガス・ウルバイチス(Mindaugas Urbaitis)の音楽に基づいたリメイキスのデビュー作品である。
LNOBTのサイトでの公式発表では次のように記されている。「リトアニア国立オペラ・バレエ劇場は、文化省の勧告に従い、レパートリーを変更し、ロシア人作曲家の作品を拒否します」。同様に、LNOBTの芸術活動部門長であるユルギタ・スキョチネ=ノルヴァシェネ(Jurgita Skiotytė-Norvaišienė)の発言も引いている。そこでは、レパートリーの変更は、ウクライナでの軍事活動が終わるまでの「一時的」なものであり、「というのも、ロシアの文化はあまりにも密接に同国の攻撃的な政治と結びついているから」だと述べられている。ユルギタ・スキョチネ=ノルヴァシェネは、ウクライナ文化省による世界の文化界への呼びかけを引用し、「LNOBTの観客が地政学的状況を理解し、この判断を支持してくれる」ことを期待していると述べている。

12:20.
統一ロシア党の国家院議員エカテリナ・ステニャキナは「我々の国家の名誉を汚した文化人たち」に対して国家賞を剥奪する制度の考案を呼びかけた。1月10日、国家院文化委員会第一副議長のエレーナ・ドラペコも同様の要望を表明した。「すでにかなりの数が見られるが、ロシア連邦と我が国の軍人たちを中傷する発言は、称号剥奪の根拠となるはずだと私は思う」とヴェドモスチ紙はドラペコの言葉を引いている。
ステニャキナは自身のSNSで「裏切り者は公共空間から排除しなければならない」というタイトルのテキストを公開した。そこでは、「怠惰な国民から国家賞を剥奪する特別制度の考案と導入する構想」について語られている。「私の考えでは、こうした公的機関(文化人を国家賞に推薦する組織)が、過去に授与された賞や名誉称号の剥奪を提案するのであれば、公正なのではないかと思います。こうした制裁が科される理由を明確に記したリストを採用することは必要でしょう。ここに恣意性があってはならない」。また同議員はその投稿で次のように要望を記している。「文化的プラットフォームや国家のチャンネルに登壇したり、国家が予算支援をしているプロジェクトに参加することがないように、公式のストップ・リストを公表すべきです。きっと公平なものになると確信しています。
国民は誰が国を裏切ったか知るべきです。これは検閲ではなく、忌まわしく思われる振る舞いに対する論理的な反応です」。


1月9日

10:45.
ロシア連邦捜査委員会長官のアレクサンドル・バストルィキンは、俳優のアルトゥル・スモリヤニノフを刑事告訴するよう指示。本日1月9日、捜査委員会の公式テレグラム・チャンネルで、「西側メディアのインタビューでスモリヤニノフが、一連の反ロシア的発言を行ったこと」と関連して、バストルィキンがこの俳優を刑事告訴するよう指示を出したと通知された。
当局の通知ではロシア刑法のどの条文に該当するのかは示されていない。

RBC紙は次のように報じている。「これ以前、国家院議員のヤナ・ラントラトヴァは、スモリヤニノフがロシアとの結びつきを失い、いまやこの俳優は「敵対者の立場に近づいている」と批判していた。彼女は、国家に相対する俳優に対して措置を下院に提議するつもりでいる。きっかけとなったのは、「ノーヴァヤ・ガゼータ・エヴロパ」(Roscomnadzor(ロシア連邦通信・IT・マスメディア監督庁)〉が禁止している)」紙でのスモリヤニノフのインタビューである。俳優は、もし戦闘行為に参加しなければならないのであれば、キエフの川で戦うだろう、などと述べた。同様にスモリヤニノフは、「戦線で向こう側にいる人々には」憎しみしか感じない、とも述べた。
安全保障会議副議長のドミトリー・メドヴェジェフは、「法律が機能しない」なら、「戦時中の原則に則って」、ロシアを支持しない者たちに対して行動すべき、と提案。一方、エヴゲニー・ポポフ議員は「限定的なスモリヤニノフ対応として」パスポートを剥奪すべきだと述べた。これに対して、連邦院憲法委員会委員長のアンドレイ・クリシャスは、「自国民の権利を侵害する形でウクライナと競わないこと」を呼びかけた」。
すでに本誌サイトで記してきたように、10月29日、モスクワのガガーリンスキー地区裁判所は、アルトゥル・スモリヤニノフをロシア刑法第20条3.3項の罪(ロシア連邦の軍隊を用いることへの信用失墜を狙った公的な行動)で有罪判決を下し、3万ルーブルの罰金を言い渡していた。裁判所は本件が起訴された根拠を明示していない。これ以前に、スモリヤニノフはウクライナにおける軍事行動に関して鋭く発言しており、10月13日には同俳優はロシアを離れたことが明らかになっていた。


1月7日

19:00.
ヴラヂミル・ゼレンスキーはロシアの文化人119人に対して個人制裁を科す法令に署名。本法令はウクライナ大統領府の公式サイトで公開された。制裁は、体制の政策を支持する著名なロシア人音楽家、歌手、俳優、演出家らを対象とする。このリストには次のような演劇関係者たちも含まれている。歌手アンナ・ネトレプコ、俳優のヴィクトル・ドブロヌラヴォフ、ヴラジミル・ステクロフ、ヴィクトル・スホルコフ、ドミトリー・ヂュジェフ、エレーナ・ヤコヴレヴァ、エレーナ・プロクロヴァ、バレエ・ソリストのスヴェトラナ・ザハロヴァ、エカテリナ・クルィサノヴァ、ヴラジスラフ・ラントラトフ、そして映画監督のニキータ・ミハルコフ。
制裁措置は、資産凍結、商取引の停止、および指定された人物が関わる文化交流、教育プログラムや娯楽プログラムの停止である。


12月29日

15:10.
エヴゲニー・ミロノフの基金「シアター・イニシアチヴ」はマリウポリ・ドラマ劇場に800万ルーブル相当の機材を提供。タス通信が報じ、同劇場総支配人のイーゴリ・ソロニンの言葉を引いている。「基金は総額800万ルーブルを超える127点の機材を提供してくれた。これは音響機材や劇場設備で、その中にはスモークマシン、バブルマシン、楽器、工房や裁縫場の機材、ガソリン発電機などがある」。
6月1日にエヴゲニー・ミロノフは、ロシア連邦議会連邦院副議長アンドレイ・トゥルチャクとともに、マリウポリとその近郊に位置するマングシ村を訪れていた。当地では、「子どもの日」に寄せて『気をつけて、エルフたちだ!』をネイションズ劇場の俳優たちが演じた。