ロシア演劇界タイムライン(2022年2月24日-)22ヶ月目

凡例

タイムラインはテアトル誌を踏襲し、時系列を遡る形で記している(新しい情報が上)。

訳者による割注は〔〕で記している。

戯曲、小説、上演等の作品タイトルは内容を確認できていない場合、仮置きの日本語訳を記している。

人名におけるアクセントの音引きは、基本的には表記しない。

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ロシア演劇界タイムライン(2022年2月24日-)21ヶ月目

Театр.誌原文(22ヶ月目)

(翻訳:伊藤愉)

▶︎公開:2024年5月8日9:50
▶︎更新:


2月24日、テアトル誌はウクライナ領の状況に関連するタイムラインの記録を開始した。

*Roscomnadzor(ロシア連邦通信・IT・マスメディア監督庁、Federal Service for Supervision of Communications, Information Technology and Mass Media)はロシア軍によるウクライナ各都市への砲撃やウクライナ民間人の犠牲関する情報、および進行中の作戦を攻撃・侵略・宣戦布告と呼ぶ資料は現実に即していないとみなしている。


編集部は週ごとのタイムラインを月ごとのタイムラインに切り替えることに決めた。だが、私たちは近いうちにこうしたタイムラインを公開する必要がまったくなくなることを望んでおり、それを信じている。


12月25日

10:00.
トビリシのPiggy caffeで芸術家ヴェロニカ・アクタノヴァと演出家フセヴォロド・リソフスキー夫妻の二人展「夫は私の話を聴かない、と妻は語る」が開催。同プロジェクトは、「記号論、ジェンダー間のコミュニケーション、脱植民地主義の複雑な問題」を扱っている。リソフスキーの連作「と妻は語る」は作者と現実とのコミュニケーションにおける危機を扱っている。彼は自作の文字を使って、独自の記号システムを作り上げている。アクタノヴァの一連の作品は、モスクワのプロスペクト・ミーラでワイングラスを手に鏡の前で夫を待っている時に作られたもので、この作品もやはりコミュニケーション構築の試みである。

12月21日

19:00. 
12月21日、ロサンジェルスの劇場Nine O’Clock Playersでマリヤ・マシコヴァのロシア語上演のモノスペクタクル『Nadezhdiny』(エゴル・バラノフ演出)がアメリカ初演をむかえた。作品のもととなっているのは、アルセニー・ファリャチエフ(マシコヴァの兄弟で、本名はニキータ・レベヂェフ)の戯曲。テキストはマシコヴァの高祖母であるメラニヤ・ゼレンスカヤの日記をモチーフとしている。彼女は、ハリコフ出身の流刑囚でL. ナジェジジンというペンネームで政治的な文章を記し、反レーニンの立場を表していたエヴゲニー・ゼレンスキーの妻だった。マリヤ・マシコヴァは作品のなかで三つの役を演じている。自分自身、高祖父エヴゲニー、高祖母メラニヤである。上演中のナジェジジンの声は俳優のアナトリー・ベールイ*が担当している。同作の世界初演は2023年10月キシナウだった。同都市はメラニヤ・ゼレンスカヤの日記に記された出来事があった場所である。ロサンジェルスでの公演ののち、『Nadezhdiny』はアメリカ合衆国の各都市をツアーでまわる。

13:12.
ロシア・アカデミー青年劇場(РАМТ)はボリス・アクーニン*の探偵小説に基づく『エラスト・ファンドーリン』の上演を変更。劇場のサイトとSNSで発表された。「親愛なる観客のみなさん! 12月26日の『エラスト・ファンドーリン』の上演は『アルジャーノンに花束を』に変更になりました。チケットはそのままお使いいただくか購入場所での返金となります……」。
ボリス・アクーニン*の探偵物「エラスト・ファンドーリンの捜査」第1作を原作とした『エラスト・ファンドーリン』はロシア・アカデミー青年劇場(РАМТ)の芸術監督アレクセイ・ボロジンが2002年5月に演出したもの。同作の新バージョンは2017年5月に初演をむかえていた。
12月18日、作家・翻訳家のボリス・アクーニン*(本名はグリゴーリー・チハルチシヴィリ)はテロリスト・過激派リストにリストアップされた。本件の情報はロシア金融監視委員会のサイトに掲載された。アクーニンはそのほか刑事告訴を2件ーー軍の信用失墜(ロシア刑法第280条3項)とテロリズムの公的な正当化およびロシア軍に関する明らかに虚偽の情報の公的な拡散(ロシア刑法第205条2項と第207条3項)ーーされている。このほか、捜査当局は彼を指名手配する意向を表明している。12月15日には、モスクワのグベルンスキー劇場はアクーニン原作の『エラスト・ファンドーリンの捜査』の春と冬の上演を中止していた。
*ロシア金融監視委員会のテロリスト・過激派リストにリストアップされている。


12月18日

18:22.
作家・翻訳家のボリス・アクーニン*(本名はグリゴーリー・チハルチシヴィリ)が、テロリスト・過激派リストにリストアップ。本件の情報はロシア金融監視委員会のサイトに掲載された。アクーニンはそのほか刑事告訴を2件ーー軍の信用失墜(ロシア刑法第280条3項)とテロリズムの公的な正当化およびロシア軍に関する明らかに虚偽の情報の公的な拡散(ロシア刑法第205条2項と第207条3項)ーーされている。このほか、捜査当局は彼を指名手配する意向を表明している。インターファクス通信がロシア捜査委員会の発表を引きながら伝えている。
先週、出版社「AST」と小売チェーン「チタイ=ゴロド・ブクヴォエド」は、アクーニン*の書籍の販売を停止した。その理由は同作家の発言が「社会的な反発を引き起こし、法に基づく評価が求められている」ため。これ以前、NGO「保安・反腐敗連邦プロジェクト」代表のヴィタリー・ボロジンが、騙り者〔пранкер〕のヴォヴァンとレクススによって公開された電話の通話記録が公開されたのち、同作家を過激主義およびテロリズムの容疑で調査するよう呼びかけていた。通話内容は、あたかもウクライナ大統領のヴォロディミル・ゼレンスキーと前ウクライナ文化大臣アレクサンドル・トカチェンコの名でアクーニンと話しているかのような内容だった。2022年10月にはボリス・アクーニンの名前は、ロシア・アカデミー青年劇場(РАМТ)とアレクサンドリンスキー劇場の演目情報から削除されていた。
*ロシア金融監視委員会のテロリスト・過激派リストにリストアップされている。

12:21. 
2023年8月の時点でまだロシア演劇人同盟の代表を務めていたアレクサンドル・カリャギンにリニューアルされる「ゴールデン・マスク」賞のディレクター候補として招聘されたヴラジミル・ミシャリンは12月18日、自身のSNSで、12月7日に独立非営利団体「ゴールデン・マスク賞および演劇祭運営局」がロシア法務省によって公式に登録されたと発表した。
さらに本誌編集部に寄せられた情報によると、ミシャリンが候補となった劇場との間で最初に実施したやりとりでは、各劇場に「ロシア国立演劇賞「ゴールデン・マスク」にノミネートされた2022-2023シーズンの上演映像へのリンクを提供し、ダウンロードできる状態にすること」が要請されたという(その文書は編集部にある)。ようやく発足した新しい運営局が前例を作ったことは注目したい。「ノミネート作品を映像だけでなく、直接「生で」観ることを義務付けられたメンバーで構成された専門家会議によってノミネート作品が発表された後に、「ゴールデン・マスク」の運営局が上演の映像を要請することはこれまでは一度もなかった」。
さらに、ツアー時には必須である作品のテクニカル・ライダーを新しい運営局は各劇場に要請していない。また、現時点では2024年の演劇祭と授賞式の日程が公表されていない。例年は、「ゴールデン・マスク」の総括となる演劇祭と授賞式は3月から4月にかけて実施されていた。8月28日、ロシア演劇人同盟は、マリヤ・レヴャキナが率いる独立非営利団体「ゴールデン・マスク演劇祭」から脱退する決定を下していた。同機関〔「ゴールデン・マスク演劇祭」〕は、レヴャキナ体制化の「ゴールデン・マスク」がきっかけとなった様々なプロジェクト——「映画におけるゴールデン・マスク」、「ゴールデン・マスク・オンライン」、子どもたちの週末、ロシア中小都市の劇場——を現在にいたるまで運営している。


12月17日

13:09.
モスクワのポクロフカ劇場はベラルーシの反体制作家サーシャ・フィリペンコの小説に基づいたアナスタシヤ・パウトヴァ演出『火葬人(Кремулятор)』の上演を中止にした。Youtubeチャンネル「Живой гвоздь」の番組内で作家が語った。同作の原作者によれば、これは『独立新聞(«Независимой газете»)』で上演に関して言及した後に、このような措置が取られたとのこと。「演出家が呼び出され、上演はないと言われた。取調官ペレペリツァ役を演じている俳優は、事務局で話をしている時に徴兵事務所に連れていかれ、劇場すぐ近くで召集令状を渡された」。また、フィリペンコは2月2日にベルリンで『火葬人』の初演をむかえることも告知した。演出はマクシム・ジデンコで、主役のピョートル・イリイチ・ネステレンコ役はマクシム・スハノフが演じる。
『火葬人』はサーシャ・フィリペンコの6作目の小説。スターリン期の弾圧の時代の出来事を描いている。基軸となっているのは第一モスクワ火葬場を統率していたピョートル・イリイチ・ネステレンコの生涯である。大テロルの時代、彼は二交代制で働き、夜間には政治犯を火葬していた。1941年にはネステレンコ自身も有罪判決を受けた。


12月15日

21:13.
ロシア法務省は俳優のアナトリー・ベールイ(ヴァイスマン)を外国エージェントにリストアップ。本件に関する情報は同省のサイトで発表された。「А. А. ヴァイスマンは不特定多数の人々に向けた外国エージェントの情報と資料を作り出すことに参加した。〔彼は〕ウクライナにおける特別軍事作戦に反対を表明し、ロシア連邦の公権力機関によって下された決定と運用される政策に関して不正確な情報を広めた。外国の機関によって提供されている情報プラットフォームに回答者として参加した。ウクライナ軍を支援する募金活動を企画したり、参加したりした。ロシア国外に居住している」。

16:18.
モスクワ・グベルンスキー劇場はアクーニン*原作『ファンドーリンの捜査』の冬と春の上演を中止した。劇場のサイトで以下のように発表されている。「観客のみなさま! 『ファンドーリンの捜査』の上演は(中略)中止となりました。申し訳ありません。チケット代の返金は購入場所にて承ります」。作品のページは劇場サイトから削除されている。『ファンドーリンの捜査』はセルゲイ・ベズルコフ・フォンドとモスクワ・グベルンスキー劇場の共同プロジェクトで、上演の芸術監督はセルゲイ・ベズルコフで演出家はタチヤナ・ヴドヴィチェンコである。初演は2017年だった。
*ロシア金融監視委員会のテロリスト・過激派リストにリストアップされている。

10:00.
モスクワのバスマンヌイ裁判所は、ロシア軍に対する虚偽の情報を拡散した罪で、欠席裁判の形で劇作家・演出家のイヴァン・ヴィルィパエフに懲役8年の刑を言い渡した。また4年間はインターネット・リソースの管理を禁じた。インターファクス通信が裁判所広報へのリンクとともにこれを報じた。
通信社が伝えるところでは、「ヴィルィパエフの刑期はロシアの領土内で彼が拘束されるか、あるいはロシアに彼の身柄が引き渡された時点から計算される。捜査当局は、ロシア連邦とその国民の利益を守り、国際的な平和と安全を維持する目的にあるロシア軍の運用に関するデータを含め、政治的、思想的、民族的憎悪、またを社会的グループに対する憎悪を理由に(ロシア連邦法第207条3項1号、同2号”д”)、明らかに虚偽の情報を拡散した罪で、ヴィルィパエフを欠席裁判で起訴した。報道によれば、ヴィルィパエフのSNS上での投稿や様々なメディアでのインタビューによるものだという」。
2023年5月、マスマンヌイ裁判所がヴィルィパエフを欠席逮捕し、国際指名手配したことが明らかになっていた。この一年前、ヴィルィパエフはポーランド国籍を取得していた。2022年3月、ヴィルィパエフは自身の戯曲を上演しているロシアの国立劇場に対するオープンレターを公開した。そこで彼は、著作権料を「ウクライナを支援する基金」に寄付すると発表した。その後、同劇作家の戯曲に基づく各上演はキャンセルされた。


12月11日

12:00.
ロシア演劇人同盟のサイトで同盟事務局の新しい評議員が公表された。12月4日にロシア演劇人同盟の臨時会議が開かれ、その場で代表のポストを27年間務めたアレクサンドル・カリャギンに代わって、ヴラジミル・マシコフが選出された。代表ポストへの5人の候補者のうち残りの4人、「マルク・ザハロフ・レンコム劇場」俳優のアレクサンドル・ラザレフ(12月6日、新たな立場としてロシア軍劇場の主任演出家に任命されたことが明らかになった)、演出家でサハ共和国(ヤクーツク)顧問のアンドレイ・ボリソフ、ヴァフタンゴフ劇場支配人のキリル・クローク、そしてマリインスキー劇場芸術監督・支配人でボリショイ劇場の総支配人に就任したばかりのヴァレリー・ゲルギエフは辞退した。〔演劇人同盟の〕共同代表には、マシコフの提案により、ゲルギエフが就任した。
刷新された演劇人同盟の評議員には、やはりマシコフの発議により、辞退したラザレフとより上のポストについたゲルギエフを除く同盟代表候補者たち全員が入った。
最終的に評議員は31名となった:
モスクワ・グベルンスキー劇場芸術監督のセルゲイ・ベズルコフ、「ゲリコン・オペラ」代表のドミトリー・ベルトマン、〔スタニスラフスキー・ネミロヴィチ=ダンチェンコ記念〕モスクワ・アカデミー音楽劇場総支配人アンドレイ・ボリソフ、サーツ劇場芸術監督のゲオルギー・イサアキャン、演劇芸術スタジオ芸術監督のセルゲイ・ジェノヴァチ、ヴァフタンゴフ劇場支配人のキリル・クローク、国立舞台芸術大学(GITIS)学長のグリゴリー・ザスラフスキー、シューキン〔演劇〕大学学長のエヴゲニー・クニャゼフ、シェプキン〔演劇〕学校のボリス・リュビモフ、モスクワ青年俳優児童音楽劇場芸術監督のアレクサンドル・フョードロフ、アレクサンドリンスキー劇場俳優のセルゲイ・パルシン、ボリス・エイフマン・バレエ劇場芸術監督のボリス・エイフマン、演出家ダヴィド・ブルマン、マリインスキー劇場コンサート・マスターのイリーナ・ソボレヴァ、カリーニングラード音楽劇場芸術監督のエレーナ・アリフェル、ゴーリキー記念トゥーラ州立ドラマ劇場支配人のセルゲイ・ボリソフ、リャザン州立人形劇場支配人のコンスタンチン・キリロフ、ヴォロネジ・ドラマ劇場俳優のユーリー・スムィシニコフ、ツェイ記念アディゲ共和国ナショナル劇場俳優のザウルビイ・ゼホフ、サラヴァトフ記念ダゲスタン・クムク国立音楽ドラマ劇場芸術監督のアイグム・アイグモフ、ゴーリキー記念サマラ・ドラマ劇場俳優のヴラジミル・ガリチェンコ、サパエフ記念マリ・ナショナル歌劇場芸術監督のコンスタンチン・イヴァノフ、タタール人形劇場「エキヤト」芸術監督のイリギズ・ザイニエフ、ゴーリキー記念ニジェゴロド・ドラマ劇場俳優のセルゲイ・カバイロ、スヴェルドロフスク州文化相スヴェトラナ・ウチャイキナ、ノヴォシビルスク市立ドラマ劇場芸術監督のセルゲイ・アファナシエフ、ハバロフスク地方立ドラマ・コメディ劇場支配人兼芸術監督のニコライ・エフセエンコ、マリインスキー劇場沿海州別館歌手のアレクセイ・コスチュク、演出家でサハ共和国(ヤクーツク)顧問のアンドレイ・ボリソフ、俳優のカズベク・グビエフ、そしてクリミア共和国国立アカデミー音楽劇場主任演出家のヴラジミル・コソフ。


12月9日

16:00.
演劇人同盟の代表に選出されたばかりのヴラジミル・マシコフがプーチンの選挙対策チームに入ったことが明らかになった。そのほかのメンバーは、「統一ロシア」総評議会書記のアンドレイ・トゥルチャク、第52モスクワ市立病院医長のマリヤナ・ルィセンコ、クルチャトフ研究所所長のミハイル・コヴァリチュク、ドネツク人民共和国立法会議議長のアルチョム・ジョガ、歌手のポリナ・ガガリナなどがいる。イニシアチブ・グループの第一回会合でマシコフは、「アーティストたちは常に大統領を支持してきたし、これからも支持するだろう」と言明した。
「創作に関わる人々を代表して言えることは、演劇、映画などの創作活動に従事している人々の多くは、常に自国の愛国者であり、常に大統領を支持してきたし、これからも支持するだろう」とマシコフの言葉をRIAノーボスチ紙は引用している。
ヴラジミル・マシコフは、わずか1ヶ月しか経っていない12月4日に開かれたロシア演劇人同盟の臨時会議で同同盟の代表に選ばれた。10月30日、演劇人同盟を27年間率いたアレクサンドル・カリャギンは、組織の運営体制の改変が必要であり、選挙のために演劇人同盟メンバーを会議に召集する際の費用は国が負担する、と述べていた。


12月4日

21:00.
ロシア演劇人同盟の臨時会議で同盟の新しい代表が選ばれた。新しい代表となったのは、オレグ・タバコフ劇場の芸術監督ヴラジミル・マシコフである。共同代表にはヴァレリー・ゲルギエフがついた。


12月1日

14:00.
ヴァレリー・ゲルギエフはヴラジミル・ウリンの代わりにボリショイ劇場の総支配人となった。ボリショイ劇場のサイトでトップ交代に関する知らせは現時点ではない一方、先日初演をむかえたアレクサンドル・ペトロフ演出によるベリオーズのオペラ『ベアトリスとベネディクト』を、「軍人を支援する」ために特別上演するとの発表が出ている。「12月6日に行なわれる『ベアトリスとベネディクト』の上演は、ロシア国防省、ロシア非常事態省、ロシア国家親衛隊が奨励する必要があるとみなした観客を対象としたものです」。


11月30日

18:00.
12月7日、タムタ・メラシヴィリの書籍を原作としたジェニャ・ベルコヴィチの演出作品『数え歌』がドバイ(UAE)で上演される。演劇カンパニー「ソソの娘たち」による一回限りの上演は、Jumeirah Beach Hotelの舞台(Meyana Auditorium)で行なわれる。上演にはエレナ・マホヴァ、ナタシャ・ゴルバス、マリエッタ・ツィガリ=ポリシュク、ユリヤ・スキリナ、ダリヤ・ヴォロホブコ、イラ・ソヴァ、ウリヤナ・ルキナ、アレクサンドラ・チェルカソヴァが参加する。

16:00.
モスクワ市裁判所でモスクワ市のザモスクヴォレツキー裁判所の演出家ジェニャ・ベルコヴィチと劇作家スヴェトラナ・ペトリイチュクの身柄拘束を1月10日まで延長するという判決に対する控訴審が行なわれた。モスクワ市裁判所判事のナタリヤ・ニキシナはザモスクヴォレツキー裁判所の決定を変更なしと判決を述べた。


11月29日

9:30.
モスクワの劇場「現代戯曲学院」がルガンスクで上演。
ルスペカエフ記念ルガンスク・ロシア・ドラマ劇場での上演はロシア文化省による全ロシア・ツアーコンサート計画の一環。同省のサイトでは、この計画には「2022年にルガンスク人民共和国、ドネツク人民共和国、サポロージャ地方、ヘルソン地方の創作チームが有機的に組み込まれ」、また「新しいテリトリーにおける連邦管轄および地方管轄の劇場の上演もここに含まれる」と述べられている。
2022年、「現代戯曲学院」の創設者で常任監督でオデッサ人のヨシフ・ライヘリガウズが解任され、そのポジションにはドミトリー・アストラハンが任命された。現在「現代戯曲学院」と呼ばれているトルブナヤ劇場は、ルガンスクに、グリゴーリー・オステルの書籍に基づく児童劇『悪い子のすすめ』(2002年に初演されたヒット作)と2013年にアレクサンドル・ウグロフの戯曲に基づいてヴラジミル・ルバノフと現在の劇場芸術監督ドミトリー・アストラハンが演出した、ゲルツェンとオガリョフの愛を描いたメロドラマ『ロンドンの三角関係』をルガンスクに持っていった。


11月28日

11:00.
本日、11月28日、モスクワ市裁判所で、ザモスクヴォレツキー裁判所のベルコヴィチとペトリイチュクの身柄拘束を延長するという判決に対する控訴審が行なわれるはずだった。2023年11月に彼女らの逮捕は1月10日まで延長されていた。
「Lawyers PRO People〔Адвокаты PRO людей〕」のテレグラム・チャンネルによると、ジェニャ・ベルコヴィチは拘置施設に送り出されてしまったため、中継ができなかった、とのこと。
弁護人のエレーナ・オレシニコヴァとセルゲイ・バダムシン、そしてビデオ通話で審理に出席していたスヴェトラナ・ペトリイチュクの強い要求により、控訴審は11月30日11時45分に延期された。


11月25日

22:00.
プラハでアーシャ・ヴォロシナの戯曲『変種〔Отродье〕』が初演をむかえる。11月25日、プラハでのフェスティバルKulturus 「戦争のはじまり」でEsther Bol(アーシャ・ヴォロシナ)の戯曲『変種』に基づくユリヤ・マズロヴァ演出作品が初演を迎えた。上演告知では、『変種』は「フランシスコ・デ・ゴヤ、ヒエロニムス・ボス、サルバドール・ダリ、ギュスターヴ・ドレの絵画によって視覚化された現代の地獄に沈み込んでいく朗読パフォーマンス」である。

上演には、マリアンナ・アルズマノヴァ、ナタリヤ・グレベニュク、エリザヴェタ・ロパチナ、ユリヤ・マズロヴァ、ブラド・ラン、パヴェル・オシキン、デニス・ビルノフ、セルゲイ・プロトニコフが出演する。
ロシアの劇場では至るところでアーシャ・ヴォロシナの戯曲に基づく上演がレパートリーから外されている。彼女は、ロシアを離れウクライナにおける軍事行動を批判していた。ペテルブルグのヴァシリエフスキー劇場でも、2019年に制作されたヴォロシナ翻案の『死せる魂』も上演中止となった。



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