ロシア演劇界タイムライン(2024年2月24日-)24ヶ月目

凡例

タイムラインはテアトル誌を踏襲し、時系列を遡る形で記している(新しい情報が上)。

訳者による割注は〔〕で記している。

戯曲、小説、上演等の作品タイトルは内容を確認できていない場合、仮置きの日本語訳を記している。

人名におけるアクセントの音引きは、基本的には表記しない。

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ロシア演劇界タイムライン(2022年2月24日-)24ヶ月目

Театр.誌原文(24ヶ月目)

(翻訳:伊藤愉)

▶︎公開:2024年8月3日19:17
▶︎更新:


2月24日、テアトル誌はウクライナ領の状況に関連するタイムラインの記録を開始した。

*Roscomnadzor(ロシア連邦通信・IT・マスメディア監督庁、Federal Service for Supervision of Communications, Information Technology and Mass Media)はロシア軍によるウクライナ各都市への砲撃やウクライナ民間人の犠牲関する情報、および進行中の作戦を攻撃・侵略・宣戦布告と呼ぶ資料は現実に即していないとみなしている。


編集部は週ごとのタイムラインを月ごとのタイムラインに切り替えることに決めた。だが、私たちは近いうちにこうしたタイムラインを公開する必要がまったくなくなることを望んでおり、それを信じている。


2月20日

12:00.
2月20日から24日までジュネーヴでのAntigel芸術祭でロシア・コンテンポラリー・ダンスの初めてのショーケースが実施される。ショーケースはAntigel とSaint-Gervais Genève劇場およびプロジェクトON/OFFの共催。プロジェクトON/OFFは、振付家ジナ・フセインと演劇学者ニカ・パルホモフスカヤがロシア語話者のコンテンポラリー・ダンス関係者を国境を越えて支援するために設立したもの。ショーケースは現代美術館ガラーシ(«Гараж»)の助成を受けて実施される。これ以前、2023年にプロジェクトON/OFFはスイスとフランスで、ロシアのダンサーとヨーロッパのダンサーを組み合わせたオンラインおよびオフラインのレジデンスを実施していた。ジュネーヴでのショーケースの企画者たちの目的は、対話、文化交流、ウクライナでの軍事行動以降途絶えていたつながりの再建を促進することである。
プログラムには二つのソロ作品が入っている。一つは、振付家・パフォーマーのオリガ・ツヴェトコヴァによる「レクイエム/ソロ」で、ヤニス・クセナキスとピョートル・グラヴァツキフの音楽に合わせた物悲しくも激しいダンス・メディテーション。いま一つは、タチヤナ・チジコヴァの「ドロブヌイ・ホド〔小刻みな動き〕」で、伝統的なロシア舞踊の動きを再解釈したもの。そのほか、ジナ・フセインとアンナ・ガラフェエヴァの「呼吸」も上演される。同作は、コロナ・ウイルスや検閲といった制限や禁止の時代に自由に呼吸をすることの不可能性を表現し、2022年のゴールデン・マスク賞にノミネートされた。


2月16日

21:00.
ロシア法務省は外国エージェントのリストに俳優のニキータ・ククシキン*を含めた。同省サイトで発表されている。「Н. А. ククシンはウクライナにおける特別軍事作戦に反対を表明し、外国エージェントが提供する情報プラットフォームに回答者として参加した。ロシア連邦公権力機関によってなされた決定やその政策に関して不正確な情報を拡散した。不特定多数の人々に向けた外国エージェントのメッセージや資料の作成に参加した」。
*ロシアで外国エージェントに指定


2月15日

20:10.
ヴァフタンゴフ劇場が、「特別軍事作戦区域における我が国の兵士たちのための定期物資便」をつめた。
劇場のSNSでは次のように述べられている。
「今回、仲間たちが切実に必要としているもの、クワッドコプター〔ドローン〕を含む前線で求められている特殊装備を送ることにしました。ヴァフタンゴフ劇場は自己資金で機材を購入しました。ヴァフタンゴフ劇場のスタッフの何人かは徴兵され、立派に兵役を果たしています。前線には親戚や友人たちがいます。私たちは彼らが所属している部隊の一つを支援しています。できる限り力を尽くして彼らを支援しています」。
2023年1月23日、ヴァフタンゴフ劇場ディレクターのキリル・クロークは、同劇場が軍事行動区域にいる部隊の一つを自発的に支援すると述べていた。「誰からも強制されてはいません。この取り組みは、私たち劇場内部から生まれた取り組みです。だからこそより価値があり、必要なのです」とクロークは表明していた。


2月14日

17:00.
ウィーン芸術祭はテオドール・クルレンツィスのコンサートを中止に。
『デア・シュピーゲル』と『ニューヨーク・タイムズ』で引かれた開催企画者の声明で述べられている。
クルレンツィスのコンサートの中止は、ウクライナの音楽家で指揮者のオクサナ・ルィニフが同芸術祭に参加することと関係している。ルィニフはロシア国籍を持つクルレンツィスと同じ芸術祭に参加することはできないと言明していた。
芸術祭のプログラムでは、戦争をテーマとした二つのコンサートが予定されていた。6月2日、オクサナ・ルィニフは、キエフ交響楽団でウクライナ人作曲家エヴゲニー・スタンコヴィチのレクイエム《バービー・ヤル》を指揮することになっていた。テオドール・クルレンツィスはSWR(バーデン=バーデン南西ドイツ放送交響楽団)とともに、ベンジャミン・ブリテンの《戦争レクイエム》をブルク劇場で演奏する予定だった。こうした状況を受けて、新芸術監督のミロ・ラウは現在のところ「アーティストとして我々が高く評価しているテオドール・クルレンツィスのコンサートを中止する以外に選択肢はない」と述べた。企画サイドによると、こうした結論に至ったのは、ルィニフ氏の立場だけではなく、クルレンツィスが芸術祭に多くのウクライナ人音楽家が出演することを拒否したことも関係しているという。2023年にも、ウィーン・コンツェルトハウスの2023-2024シーズンの計画に関するプレス・カンファレンスで、総裁のMatthias Naskeが同劇場はテオドール・クルレンツィスとの協働は「休止する」と述べていた。幾年も協働してきたにもかかわらずコンツェルトハウスでの同指揮者の活動は、ロシア・ウクライナ紛争に関して自らの立場を明確に表明するまで不可能となっている。

12:00.
ユーリー・ブトゥソフがリガ・ロシア劇場での演出作品『肖像画』の稽古に出席。初演は5月11日に予定されている。原作は、ゴーゴリの同名の小説をモチーフとしたエステル・ボル(アーシャ・ヴォロシナ)の戯曲である。今シーズンの劇場のプランを述べながら、『ノーヴァヤ・ガゼータ/バルト諸国』はブトゥソフがロシアからの出国を決めたのは、チェーホフ記念モスクワ芸術座でのヴォロシナの戯曲を原作とした彼の演出作品『Man of Fish』がレパートリーから外されたことも関係していると記している。
2023-2024シーズンに通底するテーマとしてリガ・ロシア劇場は権力をあげている。ブトゥソフの演出作品では「豊かな暮らしという誘惑」の権力性について語られる、と劇場のシーズンに向けた会見ののち現地メディアは報じている。演出家とともに舞台美術家および衣装デザイナーとしてマリュス・ニャクロシュス〔Марюс Някрошюс〕も同作品に参加する。『肖像画』は、ヴィリニュス・オールド・シアターでの『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』以降、両者の2度目の共同作品となる。


2月13日

12:12.
モスクワ市裁判所で演出家ジェーニャ・ベルコヴィチと劇作家スヴェトラナ・ペトリイチュクの2024年3月10日まで拘束期間延長の判決に対する請願を受け審議が行なわれた。裁判所は拘束期間延長の判決を支持した。
スヴェトラナ・ペトリイチュクは陳述で、彼らは「拘束するために拘束している」と述べた。ジェーニャ・ベルコヴィチは本件が「とりわけ複雑」な事件ではないにもかかわらず、「意図的および冷笑的に引き伸ばされている」と述べた。同演出家はまた、現在審理の根拠となっている鑑定委員会において、イスラム教の結婚が「潜在的なテロリストと過激派の」結婚と名指されていることを指摘した。
2023年5月4日にベルコヴィチとペトリイチュクは拘束された。205条2項「テロ活動実施への公的な呼びかけ、テロリズムの公的な正当化、もしくはテロリズムのプロパガンダ」で刑事事件として立件。5月5日、ベルコヴィチの身柄拘束処分に関しての審理が行なわれ、両者は2ヶ月間、7月4日までの勾留となった。6月30日、再び身柄拘束に関する審理が行われ、留置所収容が9月10日まで延長。9月6日の審理でも同様の決定がなされ、拘留は11月4日まで延長。11月2日、ザモスクヴォレツキー地区裁判所での審理で、ベルコヴィチとペトリイチュクは1月10日まで留置所に拘置され、その後さらに2ヶ月間、2024年3月10日までの拘留が延長された。
拘束の理由となったのは、ネットで急進的イスラム主義者たちと知り合い、シリアにいる彼らのところに向かう女性たちの物語であるスヴェトラナ・ペトリイチュクのドキュメンタリー的戯曲に基づいたベルコヴィチ演出作品『美しき鷹フィニスト』である。


2月10日

12:00.
プロデューサー・カンパニーKATLZはマリュス・イヴァシキャヴィチュスの新作戯曲『全体主義的小説』の公開リーディングを告知。2月28日にリガのHanzas Peronsの舞台で実施される。『全体主義小説(«Тоталитарный роман»)』はロシア語で上演され、朗読には、チュルパン・ハマトヴァ、アレクサンドル・フェクリストフ、アレクサンドル・フィリペンコ、フィリップ・グリゴリヤン、ダリュス・メシカウスカス、エゴン・ドンムロフスキス、エレナ・ファナイロヴァら三カ国(ロシア、リトアニア、ラトヴィア)の俳優と芸術関係者たちが参加する。
イヴァシキャヴィチュス自身は『全体主義小説』を「ゴキブリ(ソヴィエトおよびポスト・ソヴィエトの吸血鬼的独裁者たち)とマンクルト(魂を売った芸術家たち)に関するテキスト」と看做している。この戯曲は中央アジアでの旅とタジキスタン人の演出家で劇作家のバルズ・アブドゥラザコフとの対話の経験に基づいて2023年に書かれた。『全体主義小説』では様々な時代の出来事が絡み合っており、チンギス・アイトマトフが作り出した「マンクルト」のイメージはスターリン時代の芸術家たちの打ち砕かれた運命を考察するためのメタファーとなっていて、中心的な人物の一人としてミハイル・ブルガーコフが登場する。『全体主義小説』の稽古は現在エストニア・ドラマ劇場で行なわれている。


2月9日

10:00.
独立非営利演劇団体「ゴールデン・マスク演劇祭」はフェスティバル「シアター・ルート(«Театральный маршрут»)」のスタートを発表した。同演劇祭の代表に着いたのはボリショイ劇場前総裁のヴラジミル・ウリン。「シアター・ルート」は、2000年にゴールデン・マスク賞が始めた「ロシア各都市における優秀作品」のプログラムを継承している。上演は3月にペルミを皮切りとして始まる。


2月6日

16:00.
ヤロスラヴリとニジニ・ノヴゴロドで2月に予定されていたアレクセイ・セレブリャコフとクセニヤ・ラポポルトが出演する『アインシュタインとマルガリータ』の上演が中止に。ヤロスラヴリ州文化省は地元メディアに対して、「世論を考慮して決定した」と説明している。同地の活動家セルゲイ・カザンスキーは上演の中止を求める書簡を当局の関係各所に送っていた。ポータルサイトの76.ruに対して、彼は次のように述べている(おそらくセレブリャコフが、すでに何年もカナダに滞在していることを念頭においている)。「この俳優たちは国外に住み、特別軍事作戦に反対を表明している一方で、ロシア国内で給料を受け取っている。いまは、国外における我々に対するヘイト全般に終止符を打つため、ロシア人全員が一体となるべきときだ」。ニジニ・ノヴゴロドでの上演は理由の説明なく中止となった。
『アインシュタインとマルガリータ』は、アレクサンドル・ゲリマンの戯曲『アリマル』に基づくアレクサンドル・マリーンの演出作品で、舞台プロダクションENTRACTEの企画。『愛と原爆に関する芝居』の初演は2022年6月12日にモスクワで行なわれた。『アインシュタインとマルガリータ』の上演はペテルブルグ、ノヴォシビルスク、エカテリンブルグで中止となったが、モスクワ(2月と3月には、マヤコフスキー劇場とエストラーダ劇場で)やそのほかの地域では継続して上演されている。

12:00.
モスクワのバスマンヌイ裁判所は、グリゴリー・チハルチシヴィリ(ボリス・アクーニン*)をテロリズムの呼びかけと軍に対する偽情報の件で捜査当局の要請により欠席逮捕した。裁判所の発表によると、同氏はロシア国内での拘束あるいは身柄引渡しから2ヶ月間勾留されるとのこと。
ボリス・アクーニン*はテロ活動の公的な呼びかけ(ロシア刑法205条2項2号)およびロシア軍に関する明らかに虚偽の情報の拡散(ロシア刑法205条2項2号”д”)の罪で欠席告訴されている。また、同作家は国際指名手配されている。
*2023年12月、ロシア金融監視委員会はボリス・アクーニンをテロリスト・過激派リストにリストアップした。その際、ロシア軍の信用失墜を意図した公的な活動の罪(ロシア刑法208条3項)で刑事告訴された。2024年1月、外国エージェントに指定。この後、出版社ASTは同作家の書籍の印刷を停止し、書店は取り扱いをやめ、ロシア・アカデミー青年劇場、グベルンスキー劇場、アレクサンドリンスキー劇場をはじめとして、各劇場はアクーニンの作品に基づく上演を中止し始めた。


2月5日

23:15.
三つの劇場で近日上演予定だったリュドミラ・ウリツカヤの作品に基づく上演が中止になる。ペルミ青年観客劇場はミハイル・スコモロホフ演出『ユダヤ人の幸福』を、モスクワのソヴレメンニク劇場ではアンドジェイ・ブベニ演出『ダンスしよう…』を、チェリャビンスク・カーメルヌイ劇場ではヴィクトリヤ・メシャニノヴァ演出『わが友ヴェニヤミン』が上演されない。ポータルサイトの「アブザツ(Абzац)」で「現在までどの劇場がウリツカヤのテキストに基づく作品を上演しているかが明らかに」という記事が掲載された後に生じた。
これ以前に騙り者〔пранкер〕のヴォヴァンとレクススが同作家との通話録音を公開していた。その中で彼女はウクライナに送金していると述べていた。その後、出版社ASTはウリツカヤへの報酬の支払いを停止した。

16:00.
2月10日、ギーセン市立劇場でフィリップ・グリゴリヤン演出によるヘンデルのオペラ『クセルクセス(セルセ)』が初演をむかえる。


2月1日

18:00.
2月23日、ドネツク人民共和国アカデミー人形劇場はオブラズツォフ人形劇場でチャリティー愛国コンサート「砲撃の響のもとで」が上演される。
オブラズツォフ劇場のSNSでは次のように述べられている。「ドネツク人民共和国アカデミー人形劇場は砲撃の下での生活を描き出した作品に観客を招待します。
このコンサートは、いま現在の出来事の意味を理解する試みです。作品の演者、作者たちはニュースで「戦時行動中」と呼ばれる現実を生きている人々です。この言葉は何を意味しているのでしょう」。
告知文によれば、プログラムには朗読、踊り、歌、そして人形のパートがある。「13のモノローグはそれぞれ異なる角度から問題が考察され、テーマに対する演じ手個々人の態度が描き出される」という。チケットの売り上げは、戦闘地域で被害にあった子どもたちの治療やリハビリに充てられる。


1月31日

21:00.
ハンブルグのThalia Theater でエヴゲニー・クラギンの作品『近未来の黙示録(«Апокалипсис завтра»)』が初演を迎える。演出は、新しいユニットKirill & Friends gGmbHの最初の作品である。作品は、ミハイル・ドゥルネンコフと演出参加メンバーたちがリハーサル中に作ったテキストに基づいている(上演は英語で行われる)。
2月1日には、ラトヴィア・ナショナル・シアターでドミトリー・クルィモフ演出『ピーターパン・シンドローム』が初演をむかえる。
2月2日と3日には、ベルリンのSäälchenでサーシャ・フィリペンコの同名小説を原作としたマクシム・ヂデンコ演出『火葬人』が初演をむかえる。
同様に2月2日に、ノルウェーのトロンヘイムでイプセンの同名の戯曲をもとにしたユーリー・ブゥトゥソフ演出『王位簒奪者』が初演をむかえる。


1月28日

18:00.
ペテルブルグのLMD劇場は、ボリス・アクーニン*の書籍に基づくミュージカルを、レパートリーから外さないために改作した。
LDM劇場はミュージカル『マルコ・ポーロ ホワイト・ロータス』reinvention版の初演を告知した。同作は、アクーニンの同名小説『The Diamond Chariot』を舞台化したものの改作版である。劇場サイトでは、「プロデュース版は、台本を書き直し、場面を日本から友好国である中国に変更した」と記されている。
書籍『The Diamond Chariot』主人公エラスト・ファンドーリンは、マルコ・ポーロに置き換えられ、「ヨーロッパに対して中国を紹介した偉大な旅人の子孫」とアナウンスされた。イタリアの副領事として、彼は外交任務とともに中国の都市、上都に赴任し、そこで白蓮教の陰謀に遭遇する。
* 12月18日、ロシア金融監視委員会はボリス・アクーニンをテロリスト・過激派リストにリストアップした。ロシア連邦捜査委員会は、同作家はロシア軍に対する「フェイク」と「テロリズムの公的な正当化」の罪で刑事告訴されたと伝えている。この後、出版社ASTは同作家の書籍の印刷を停止し、書店は取り扱いをやめ、ロシア・アカデミー青年劇場、グベルンスキー劇場、アレクサンドリンスキー劇場をはじめとして、各劇場はアクーニンの作品に基づく上演を中止し始めている。1月12日に、ロシア法務省はボリス・アクーニンを外国エージェントにリストアップ。1月26日にはロシア内務省は同作家を指名手配した。

13:01.
キスロヴォツク首脳で「統一ロシア」党員のエヴゲニー・モイセエフは自身のテレグラム・チャンネルで、新しく市内に建設された舞踊学校の壁に掲げられているミハイル・バリシニコフの言葉は、「真の愛国者」の言葉に置き換えられると述べた。
モイセエフのテキストを全文引用する(文字の綴りは引用元のまま)。「新しい舞踊学校の竣工報告を投稿したところ、多くの反響が寄せられた。この言葉の書き手について。現在、誰がこの人物の言葉の掲示に同意したのか確認中である。つまり、天才的ではあるが、祖国を捨てたこの人物、我々全員が、キスロヴォツク全体が一体となって、未来のため、子ども達の未来のため、そして国家全体の未来のために行なっている戦いにおいて、その祖国も、我が国の英雄たちも、大統領も支持しなかったこの人物の言葉に誰が同意したのか。そして私たちがその言葉を掲示したことで騒ぎの原因となった当の本人は、私たちとともに、大統領とともに一丸となって祖国の防衛に立ち上がる必要がある。そのため、すでに指示をだし、その言葉は、我が国の天才の一人であり、祖国の真の愛国者の言葉に置き換わるはずだ。それはまさに次のような歌詞があるように。「運命と祖国はひとつ」! キスロヴォツクは祖国とともにあり! キスロヴォツクは自らを見捨てない!」


1月27日

12:00.
アレクサンドリンスキー劇場は「グランド・ツアー」プログラムでマリウポリを訪問。マリウポリ共和国アカデミー名誉勲章ロシア・ドラマ劇場の舞台で、1月26日にショーロホフ、シュクシン、ボリス・シェルギン、セルゲイ・ピサレフのテキストに基づくセルゲイ・パルシンのモノスペクタクル『生きたい!』が上演された。
ツアーのポスト・リリースではアレクサンドリンスキー劇場ディレクターのセルゲイ・エメリヤノフのコメントが報じられている。「マリウポリにおけるアレクサンドリンスキー劇場のツアーはロシアの新地域との協働におけるありうべき継続の形です。昨年11月に私たちはサンクトペテルブルグとヴイボルグで、ルガンスク・ドネツクの両人民共和国、ザポロジ・ヘルソン両州の仲間たちのためのナショナル・シアター・スクールを開催しました。ロシア連邦の新たな構成主体の舞台芸術機関に所属する30人以上の専門家たちは、サンクトペテルブルグ国立大学とロシア国立舞台芸術大学とのパートナーシップによる上級研修プログラム「現代ナショナル・シアターにおけるマネージメントの基礎」を受講しました。参加者のなかには、私たちが、その仮設舞台で連邦立劇場として最初期にツアーを行なったマリウポリ共和国アカデミー名誉勲章ロシア・ドラマ劇場の指導部の人たちもいました」。


1月25日

19:00.
「クラスヌイ・ファケル」劇場の前ディレクターであるアレクサンドル・クリャビンの事件は罪状を拡大解釈され法廷へ。
現地メディアの報道によると、ノヴォシビルスクでの「クラスヌイ・ファケル」劇場の前ディレクターのアレクサンドル・クリャビンの事件に関する捜査が完了したとのこと。彼は以下の三つの罪に問われている。甚大な結果をもたらした職権濫用(ロシア刑法第286条3項)、予算の使い込み(ロシア刑法第160条4項)、設備の私物化(ロシア刑法第160条3項)。
アレクサンドル・クリャビンは、息子で同劇場前主任演出家のチモフェイ・クリャビンへの給料の上増しを数年間にわたって指示した職権濫用の罪に問われ、捜査によれば、それは520万ルーブルにのぼるという。また父親のクリャビンは170万ルーブルの使い込みと劇場のコンピューターの私物化に関しても告訴されている。アレクサンドル・クリャビンいずれのエピソードに関しても罪を認めなかった。

11:00.
ノヴォクズネツク人形劇場「スカース」にヴラジミル・マシコフの名前が冠せられる。
ケメロヴォ州知事のセルゲイ・ツィヴィリョフのテレグラム・チャンネルで公表された内容によると、(綴りは引用元のまま)「ケメロヴォ州(КуZбасса)知事は、人形劇場「スカース」に同郷のロシア人民芸術家でノヴォクズネツク名誉市民である彼の名を冠するという発案を承認した。本日、州政府による指示が公表された。
「ヴラジミル・リヴォヴィチは、その多忙と人気にもかかわらず、定期的にノヴォクズネツクを訪れている。彼はここで幼少期を過ごし、彼の両親は人形劇場で働いていた。そしてかつて映画館だった建物を再建しスカース劇場に譲り渡すことを提案したのが当のマシコフだった。このことはケメロヴォ州(КуZбасса)の文化的発展を可能にし、若者たちがその創造的ポテンシャルを開くことを促進した」とセルゲイ・ツィヴィリョフは述べている」。
12月4日に1ヶ月前倒しで緊急召集されたロシア演劇人同盟の臨時総会で、ヴラジミル・マシコフは同盟代表に選出され、12月9日には、彼がヴラジミル・プーチンの選挙対策チームに入ったことが明らかになっていた。グループの第一回会合でマシコフは「アーティストたちは常に大統領を支持してきたし、これからも支持するだろう」と言明していた。



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