ロシア演劇界タイムライン(2022年2月24日-)30ヶ月目

凡例

タイムラインはテアトル誌を踏襲し、時系列を遡る形で記している(新しい情報が上)。

訳者による割注は〔〕で記している。

戯曲、小説、上演等の作品タイトルは内容を確認できていない場合、仮置きの日本語訳を記している。

人名におけるアクセントの音引きは、基本的には表記しない。

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ロシア演劇界タイムライン(2022年2月24日-)30ヶ月目

Театр.誌原文(30ヶ月目)

(翻訳:伊藤愉)

▶︎公開:2024年12月11日16:39
▶︎更新:


2月24日、テアトル誌はウクライナ領の状況に関連するタイムラインの記録を開始した。

*Roscomnadzor(ロシア連邦通信・IT・マスメディア監督庁、Federal Service for Supervision of Communications, Information Technology and Mass Media)はロシア軍によるウクライナ各都市への砲撃やウクライナ民間人の犠牲関する情報、および進行中の作戦を攻撃・侵略・宣戦布告と呼ぶ資料は現実に即していないとみなしている。


編集部は週ごとのタイムラインを月ごとのタイムラインに切り替えることに決めた。だが、私たちは近いうちにこうしたタイムラインを公開する必要がまったくなくなることを望んでおり、それを信じている。


8月14日

19:45. 
ブロヴヌ記念ドネツク国立アカデミー音楽ドラマ劇場はネイションズ劇場の本舞台で、トルストイの長編小説『戦争と平和』を原作とする「愛国的オペラ・ドラマ」を上演する。8月26日に予定されているアレクセイ・ルィブニコフ音楽の『Le prince Andrе アンドレイ・ボルコンスキー侯爵』の上演は、「ドネツク版の首都初演」となる。作品に関するアナウンスでは次のように述べられている。「これはたんなる演劇作品ではない。作品内には現在の現実と深く絡み合い、私たちの世界で起こっていることを解き明かす瞬間が数多くある。祖先の功績に貫かれた目の前のロシアの歴史は、若者たちが知るべきものである。若者たちには舞台上から簡単で理解しやすい言葉で語りかける必要がある」。文化創造大統領基金の助成で実現された同作品の初演は、2023年12月にオンライン生中継の形で行なわれていた。


8月12日

14:00.
モスクワのバスマンヌイ裁判所はイヴァン・ヴィルィパエフに対して欠席裁判で懲役7年6ヶ月を言い渡した。また4年間のウェブサイトの管理に関わる活動も禁止された。ヴィルィパエフは、「ロシア連邦とその国民の利益を守り、国際的な平和と安全を維持する目的にあるロシア軍の運用に関するデータを含め、政治的、思想的、民族的憎悪、またを社会的グループに対する憎悪を動機として、明らかに虚偽の情報を拡散した」(ロシア連邦法第207条3項1号、同2号”д”)ことを罪に問われている。
2022年12月15日、ヴィルィパエフは欠席裁判で同条項に基づき8年の懲役の判決が下されていた。2024年7月はじめ、法廷での事件審理において違反があったとの訴えにより、この判決は取り消されていた。


8月5日

12:00. 
ウラン・ウデのベストゥジェフ記念ロシア・ドラマ劇場は、ドミトリー・エフレモフの演出作品『英雄たちの時代』の初演を発表。原作は、ウラジオストク出身の現代の劇作家ニコライ・ピンチュクの戯曲『退院〔«На выписку»〕』。〔サイトの〕上演説明には次のように記されている。「物語は実際の出来事に基づいており、登場人物は全員、人生における実際的なプロトタイプを有している、それはロシアのさまざまな地域出身の特別軍事作戦の兵士である。この作品は、人生を肯定するドラマで、身近な意味、思いがけない展開、演劇的な工夫が含まれている」。上演には登場人物のプロトタイプとなった特別軍事作戦の参加者たちの顔が映し出される。初演は今年の9月27日と28日に予定されている。
「ここで土台となっているのは、今日起きている歴史的な出来事に対するグローバルな理解である」と現地メディアは演出家の言葉を引いている。「私の親類は特別軍事作戦に誰一人いっていないものの、私の知人、友人たちは参加している。そのため、やはり特別軍事作戦のテーマは私にとって近いものだ。伝えておきたい深い考えがある。人は、特別軍事作戦にいく、というような運命を変えるような重要な決断を、個人的な問題に基づいていつでも受け入れるわけではない、ということだ。志願兵は、愛する人のためだけでも、お金のためでもなく、人生におけるあるグローバルな目的があり、そのために人はこうした輝かしい行ないを遂行するべきだという理解のために〔特別軍事作戦に〕参加している」。
2022年3月22日にブリヤート共和国文化省はベストゥジェフ劇場の芸術監督であったセルゲイ・レヴィツキーを解任した。彼はSNSで体制批判を繰り返していた。



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